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「さっきから、娯楽とか……最低な、人間だっ!」



――ドス!



「ぐ!このっ」

「謝って!」



何度も何度も受け身と反撃を繰り返す。
許せなかった。
豪雨と雷に怯える人達がいるのに、笑うベラミーに悔しく思ったのだ。



「そこまでー!」



いきなり声が横から入って来てリーシャは動きを止める。
振り返るとシャチがニカリと笑みを浮かべていた。
後ろにもローと心配顔のベポもいるではないか。



「勝負はとっくについてんだろ?さっさと賞品渡せよ」

「ついてるの?え、ていうかシャチ達来るの遅くない?」



リーシャが状況を飲み込めずに視線をさ迷わせていると、呆れ顔のローが半分に契れた紙を出す。



「お前が手分けしたんだろ。こっちの物は回収済みだ」

「そうだった……」



リーシャは内心落ち込みながら武器を仕舞う。
ポン、と跡形もなく消えた手元を確認するとベラミーを見遣る。



「早く、頂戴」

「……チッ」



ベラミーは顔を不機嫌に歪めると懐から何かを出してリーシャに向けて投げ付けてくる。
受け取ってみれば、それはニコニコというよりニヤニヤとした表情で眼帯をしている絵のワッペンだった。



「これがスマイル……」

「俺達も同じ奴だったよ」



ベポが後ろから言う。
リーシャは成る程と頷く。そうしていると視界にローが入ってきた。



「何?」

「すまなかった」



最初、何を言っているのかピンと来なかったが次第に納得する。
喧嘩別れのことだろうと思い出すと次はリーシャが申し訳ない気持ちになった。



「え、あ、や……私もついカッとなったから……ごめんなさい……」



お互いが謝ると周りの空気が軽くなった。



「お前がいきなり怒鳴るから驚いたぜ」

「確かにヒヤヒヤものだったな」



シャチとペンギンが安堵の言葉を漏らす。
ベポは良かったね!と自分の事のように喜んだ。



「フッフッフ!……茶番はもう終いか?」

「ドフラミンゴさん……茶番て」

「つまんねェ奴らだなァ。まァいい」



突然、気配なくリーシャ達の背後に現れたピンク。
ヒクリと頬を引き攣るのを感じながら次の言葉を待った。
リストにあった物は二つ。
ワッペンも二つで揃ったわけだ。



「ドフラミンゴさん!」



話に横槍を入れてきたのはベラミーだった。



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