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「お前、ドフラミンゴさんに頼み事したんだって?雨を止ませて欲しいって」

「ドフラミンゴさん……」

(お喋りな人だなぁ)



あっさりと他者に口外してしまうなんて、とひっそりとため息をつく。



「俺らの娯楽なのにそう簡単に止めてもらえると思ってんのか?」

「ご、らく……?」



今、凄くカチンと来た。
このベラミーと言う男は歪んだ感情を抱いている。
そう思ったリーシャは知らずの内に相手を凄んでいた。



「あ?勇者風情が俺に勝てると思ってんのか」



ベラミーはニヤニヤと笑う。
リーシャは牽制しようと一歩前に出た。
が、ペンギンに片手で押し止められる。



「落ち着け。喧嘩をしに来たわけじゃないだろ」

「でもっ」



我慢できない!と訴えた。



「ベラミーと言ったな。お前は雷の番人であるドフラミンゴ本人に頼まれたんだろ。こんな所で騒ぎを起こしたいのか?」

「!!……へェ、お前相当頭が切れるらしいなァ……」

「お世辞はいらない。早く試練を進めろ」



ペンギンは無表情のまま(帽子でよく見えないが)淡々と答える。
それをリーシャは感心感激感動の気持ちで見ていた。



(すっごー!ペンギンすっごー!)



ひたすらキラキラとした目でペンギンを直視していたからか、彼は苦笑気味にこちらを見た。



「始まるぞ」

「うん!」



ベラミーは若干面倒そうに己のポケットを探って何かを取り出した。



「“スマイルは俺に勝ったら賞品として与えられる仕組みになっている”」

「カンペ必要ないじゃん!」



極簡単な説明文章にずっこけたくなる。
そんなリーシャに構う事なく進めていくベラミーは所謂真面目。



「と言うわけでバトルといこうじゃねェか」



確かに、ここの地形はバトルフィールドだが。
まさか本人に戦うハメになるとは。



「本気?戦うのペンギン……」

「それしかなさそうだな。大丈夫だ、俺がいる」

「ありがとう……私、レベルは皆より低いけど結構強くなったんだよね、よしっ」



追加確認を取ると少しやる気が出てきた。
ファインティングポーズをしてみる。



「素手かよ……」



相手は馬鹿にしたように嘲笑う。
馬鹿にするなよ、と剣を召喚する。
これは以前ローに教えてもらった魔術というものだ。



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