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「そんじゃァ、俺は行くぜ。精々足掻いてみせてくれよ?フッフッフッフッ!」
不吉極まりない言葉を残してドフラミンゴはピンクの羽を数枚散らして消えた。
「足掻いてみせてくれよって……」
引き攣る頬にもはや隠す気は起こらなかった。
「あー……こ、こんにちは……」
とりあえず今は案内人(?)であるパシフェスタに挨拶しておく事にした。
しかし、当人は全く反応は愚か指一つ動かさない。
「ペンギン、どうしよー……私折れそう」
「辛抱強く接すればって問題でもなさそうだな」
あっさり頷くペンギンに同じく賛同。
「えと……入口に入って三分くらいしたよね?」
ローと喧嘩別れした後、ペンギンを引っ張って『入口』と書いてあった場所に入った。
何をするかは事前にドフラミンゴが言っていたから何とかなると思ったのだ。
(パシフェスタさんに、聞くしかないのか……聞きにくいや)
怖ず怖ずとロボットに話かけてみる。
「あのぉ、パシフェスタさん……スマイルの場所とか……わかりますか?」
「了解した」
「喋っ!?」
思わず叫びそうになった。
ウィンという音もせずに自然と口元が動いた事に驚きだ。
「付いてこい」
「はははい!」
「カチカチだぞ」
ペンギンに指摘されてもどうしようもなかった。
ロボットである熊のナリをしているパシフェスタに付いて行って三分後。
そこはまるで、バトルフィールドのような場所があった。
森に囲まれているわけでもなく、ここは雷の神殿の内部であることが辛うじてわかったのはコンクリートに周りを囲まれているからだった。
「試練の場所に着いた」
「試練?スマイルがある場所ですか?」
パシフェスタは突然歩みを止めて一言告げるとそれ以降は決して喋らなかった。
リーシャ達がどうするかと話し合っていれば、砂利を踏む音が聞こえた。
「!?」
「誰だ」
リーシャが驚きに振り向くのに対してペンギンはとても落ち着き払っていた。
頼もしく思いながら相手を見遣ると、男で金髪で目つきが怖い。
「誰……?」
「俺はベラミー。ドフラミンゴさんの配下だ」
男はニヤリと勝ち誇った様な笑みを浮かべる。
何を自慢しているのかも全く理解できなかったが、とにかく「へへんどうだ」みたいな空気であった事は確かだ。
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