53
――ドオオオン!!
「ひゃああっ!何!何っ!?」
突如起きた大爆音にリーシャは肩を震わせる。
マルコもベポも何事かと、爆音が聞こえた方向に顔を向けた。
「何かあったか……まさか、あいつが何かやらかしたかよい……」
マルコは苦虫を潰したように唇を歪めた。
「え、マルコさん……何か知ってるんですか?今の爆発……」
「何でもない。次に行くよい」
「え、でも」
「行くよい」
リーシャの、納得仕切れない声を掻き消すようにマルコは同じ言葉を言う。
リーシャとベポはお互い目を合わせながら困った様子で首を傾げた。
(どうしたんだろ、マルコさん……)
二人は渋々、マルコの後に次いで歩き出した。
「あいつめ」
マルコは二人に聞こえない音量で毒づいた。
マルコに付いて行った先にはエースとシャチがいた。
草原の上に、優雅にテーブルが並べられていた。
さながらティータイムといった感じだ。
「よー。お疲れさん」
「はいぃ。私、私頑張りましたぁ!」
片手をヒョイと上げたエースにリーシャは近づく。相変わらず眩しい笑顔だと惚れ惚れする。
「ははは!偉いな。疲れただろ。こっちに座るか?」
「はい!喜んでっ」
リーシャは跳ねるようにシャチとエースの間にあった椅子に座る。
「馬鹿っ、あの人が見たら俺が八つ当たりされる!早く椅子から下りろリーシャっ」
「シャチうるさぁい!エースさんの隣は誰にも渡さないんだからぁ!」
「誰も奪わねェし、欲しくなんてねェよっ」
シャチは飽きれ半分、焦り半分でリーシャにつっこむ。
「エース。さっきのは」
「あァ。あいつがやらかしたんだろうな」
「全く……馬鹿だなあいつは……後片付けが大変だよい」
エースとマルコの会話を聞いていたリーシャはピンときた。
あの、爆発音の事を言っているのだろうと。
「シャチ。シャチはさっきの爆発音わかる?」
「知らねェんだよな。モニターで途中まではお前らとペンギン達を交互に見てたんだけどな、その後はここに来るまであの門番にここまで歩かされたからよ」
「そうなんだ……あ、ローさん達はまだ着いてないの?」
リーシャが思い出したように尋ねるとシャチは頷いた。
[ back ] bkm