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05改稿


魔王対峙の冒険に仲間が加わり、近くの宿に泊まった。

「はぁー、よかった野宿にならなくて」

「外は魔物が徘徊しているしな」

「アイアイ、危険だね」

ほくほくと湯気の立つスープを飲みながら槙を焼べてある暖炉で温まっている三人。

「ふぇーストーブもいいけど暖炉もいいよね〜」

何気なく言った言葉に二人は首を傾げる。

「「ストーブ??」」

「うん。私の国の温まる道具って感じかな……」

苦笑いしながら答える。

まさか異世界から来ましたなんて信じてもらえないしね。

「へぇー、文化が違う国から来たんだな」

ペンギンが帽子をクイッと下げながら言う。

「うん……ペンギンとベポはどんな国に住んでるの?」

そういえば、この世界の事を全く知らないや。

無知すぎるな私。

「雪がよく降るよ!」


「こっちも同じ感じだ」

「ふーん?寒いってことかぁ」

あ、でも。

「その故郷も魔王に滅ぼされたりしたの?」

魔王の手掛かりも情報も全くないなあ。

「いや、魔王は若い女性を誘拐することと、必要な食事の食料を奪うだけだ」

「そ、そっか……女性をさらうことに関してはやっぱり抜かりないね……」

魔王像が段々と固まってきた。

「あぁ、なんでも溜まるらしいからな」

「お前もかよ!」

おいおいペンギーン!あんたもかよぉ!?

やめて本当。

ペンギンの場合ベポのよりストレートだし!

「発言は自重してね」

私はまた満開の笑みで大人の対応をした。

「しかし、本当のこと……」

「自・重・し・て・ね」

「……はい」

タッタラタッタッタターラン♪

勇者はついにペンギンを黙らせた。

「ベポ、なにこの吹き出し?」

「え?冒険には必要かなって」

「どこが!?私めっちゃ怖い人に見えるからやめて!!」



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