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そんな事を考えているリーシャを余所にマルコは向こうを見る。



「もう休憩できたようだし、行くよい」

「あ、はい」

「うぅ……また熱いの我慢しなくちゃいけないんだ……」



がっかりするベポを慰めながらリーシャ達は次に進んだ。

















同じ風景しかない溶岩だらけの場所が、少しずつ変わっていく。
最初は岩しかなかったゴツゴツとしたものしかなかったが、ある境目に入るとそこは平原になっていた。



「一体、どうなってんの……?」

「急に熱くなくなったね」



ベポの言う通り熱くなくて、春のような風が身体に当たっていた。
花や草は青々としていて、平原は生き生きと風に靡いている。
二人が茫然と立ち尽くしているとマルコが口を開いた。



「ボサッとしていると、いつまでも試練は終わらねェ。次の問題が残ってるよい」

「え!」



先程の肩透かしレベルクイズで終わりだとばかり思っていたリーシャ。
マルコはそんな反応を気にせずに先を行く。



「ベポ、行くよ!」

「アイアイ!」



マルコに置いて行かれないように足早に追い掛ける。



「マルコさーん。次の問題って……わぶっ!」



質問しながら走っていれば、急に立ち止まったマルコの背中に顔を打ち付けてしまった。



「いてて……」

「出題するよい」

「あ」

「この平原で五つ葉のクローバーを探せ、よい」



まるで紙を読むように、事務的に口を動かすマルコ。
リーシャはワタワタとしながらも「はいっ、マルコ先生!」と挙手した。



「何だよい」

「四つ葉ならともかく、五つ葉なんて存在するんですか?」

「存在する。ただし、珍しいから見つけるのは難しいよい」



リーシャは、その言葉にへぇーと好奇心の声音を上げる。



(四つ葉って幸せだから、五つ葉は極上かも)



などと、夢心地に想像する。



「制限時間はない。自由に歩き回るといいよい」



マルコの言葉を合図にリーシャとベポは散り散りになって探し始めた。
最初のうちは近場で目を凝らしていたが、だんだんと範囲が広がり五つ葉は、なかなか見つからない。



(意外とないんだなぁ)



キョロキョロと五つの葉が付いたクローバーを探すが、全く見当たらない。



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