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どうやら、会う人会う人全てが門番なわけではないようだ。



「あ、あと、もう一ついいですか?エースさんの好きな物って何ですか?」


「好きな物?……もしかして、お前ェ、あいつのことが好きなのか?」

「はい!」

「返事したら駄目だよ、リーシャっ!」



リーシャが勢いよく頷くと、ベポがわたわたと慌てる。



「なんで?」

「キャプテン、怒っちゃうよ!」

「だって好きなんだから、仕方ないよ〜」

「アイイ〜……俺が叱られる……」



ズゥーンと落ち込むベポ。
リーシャは、ベポの背中を慰めるように摩る。



「やめとけ」

「……へっ?」



そんな時、突き放すような冷淡な声が胸を突き抜ける。
マルコだった。
彼が発したのに、本気で目が諦めろと言っていた。
リーシャは、ひやりとした。



(何で、そんなに真剣なの?)



同時に悲しげな色をしているように見えたのは、気のせいだろうか?



「あいつは、変な奴だし。すぐサボるし、とにかくやめた方がいいよい」

「そう、ですね……。考えてみます」



取って付けたような言葉に、頷くことしかできなかった。










***










リーシャ達のチームとローのチームの様子を、モニターと言われるもので見ていた。
エースという男とシャチの二人でだ。
何が楽しくて男同士で仲良く観戦をしなければならないのだろうか。



「どうした?食わないのか?肉が美味いぞ」

「こんな時に食えるかっ。俺だけ楽とか、無理だっつーの」

「ふーん。一応は心があるんだな」

「……どういう意味だよ」


「言葉の通りだ。お前の方がよくわかってるだろ?」


エースが肉にかぶりつきながら意味深な目をシャチに向ける。



「だったらお前だって理解できるだろ」

(なんだっつーんだ……)



シャチはエースの鋭い突っ込みにヤケになる。
傍にある皿の肉を引っつかむ。
がぶりと食いつく。



「まーな。お前ら程じゃねェけど」

「そりゃあどーも」

「なんだよその返事!」



ケラケラと楽しげに笑うエース。
シャチは内心深くため息をつく。
責任を感じる時や、後悔がやってくる時の決心はまだついていない。
だから、今なじられても返す言葉なんてないのだ。



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