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呑気に足を動かすローにペンギンは惜し気もなくため息をつく。

現在二人は迷うことなく順調に迷路を進んでいた。



「言わなかったらいい」

「そうか……」



リーシャにはとことん執着するくせ、ある程度のことは黙っている。

ローの本来の性格は彼女の前に現すことはほとんどない。



(まァ、とりあえずは安心か)



暴走するローなど、想像しなくもない。

ペンギンはこのまま順調に事が運べはいいと内心密かに祈ったのだった。










***










「ベポ」

「アイ、リーシャ。言いたいことはわかるよ」

「わぁ嬉しい。ベポと以心伝心なんて私嬉しいよ」

「リーシャ。棒読みだよ」



ベポに指摘されたが、そんなことを気にする余裕など今のリーシャにはない。

なぜなら、二人の目の前がグツグツとしたマグマが立ち塞がっているからだ。



「こんなの、無理っしょ……」

「なにかヒントは無いのかなぁ?」

「えっと、こういう時は……エースさぁーん!(はぁと)」



ハートを乱舞させながらリーシャが叫べば、シュッとマグマから何かが飛び出し、二人の前に登場したデンガローハット。



「どうかしたか?」

「どうかしたんですけどぉ。ていうかぁ、エースさん、マグマの中から出てきましたけどぉ、大丈夫でしたかぁ?」



甘えた声で自分アピールをするリーシャ。

エースは返事の折にニカッと稲妻ばりの笑顔を浮かべる。



「平気だぜ?なんたって、俺は火拳だからな!」

(火拳?)



リーシャが疑問を口にする前にベポが先に質問をした。



「このマグマ、どうやってクリアすればいいの?これじゃあ俺達先に進めないよ」

「大丈夫大丈夫!ちゃんと問題は用意してあるぜ!」


エースの発言に二人はハモりながら「問題?」と口にする。



「とっておきだ。頑張れよ!」

「あっ!エースさぁん!」



具体的なことは言わないままエースは再びマグマの中へと姿を消してしまい、残された二人は茫然とマグマを覗き見ていた。



「私達、どうすればいいのぉ……」



ガックリと肩を落とすリーシャ。

ベポは低く唸りながら周りを見回した。



「あっ、リーシャ。あれ見て!」



ベポが指を差した方向に目を向ける。



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