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「行くぞ」

「いーやぁ〜!」



ズルズルとローに襟首を掴まれ中へ向かう。



――鬼!鬼だ!
嫌がる勇者を無理矢理なんてっ!!


そのまま引きずられ、リーシャ達は火山にある入口に着いた。
ゴォゴォと燃え盛る炎の熱気は凄まじい。
熱すぎて汗でぐしょぐしょだ。
洞窟の入口に入ると一番最初に見たのは、テーブルだった。



「なんだこれ?」

「わぁ!美味しそうな料理がいっぱい!」



シャチが首を傾げる中、ベポとリーシャは豪華な料理に目を輝かせた。



「よく来たな!」

「……!?」



突然聞こえた声に全員が構える。
すると声の主は、扉をバーン!と豪快に開けて登場した。



「す、素敵……!」



リーシャの一言目はそれだった。
そばかすを散りばめ、デンガローハットを被った上半身が裸の男性。
まさに素敵だ。
リーシャの言葉に反応したのは、デンガローハットの人ではなくローだった。



「なんだと?」

「落ち着いて下さい」



ペンギンがローを宥めている間、リーシャはそばかすで全体的にオレンジ色の彼にメロメロになっていた。



「あ、あの!」



すかさずオレンジ色のイケメンに近づく。



「ん?」

「お、お名前をお伺いしても!?」



ニカッと太陽ばりの笑みにクラッとなるリーシャ。後ろでロー達が何やら騒いでいたが気にならない。



「エースだ!よろしくな!」

「エ、エース……さん……素敵っ」

「俺の方がそいつよりイケてんだろーがリーシャ!!」



珍しく声を張り上げるローにリーシャは熱に浮されたように呟く。



「イケてるのはエースさんに決まってるじゃないですか……」

「「なっ!」」



驚いた声音を上げたのはベポとシャチ。



「リーシャ!お前口開くなァ!」

「アイアイ!」



二人は涙目でリーシャに懇願してくる。



「なんでそんなに慌ててるの?本当のこと言っただけじゃん」

「ははっ!ありがとな!」


「いえ!そんな……」

「照れるだと!?俺は許さんっ!」



ローは憤りに暴れる。
それを押さえ込むのはもちろんリーシャ以外の三人で。



「ちょっ、落ち着いて下さいってローさん!」

「どけっ!」



シャチはローを宥めようとするが、無理なようだった。



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