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「……で、一体何があったんだ?」



今さっき合流した私とローさん以外の三人が私達を交互に見ては首を捻った。



「ローさんに襲われた!」

「またか」

「ペンギン納得しちゃ駄目だよ」



ベポがわたわたとする。


でもローさんは素知らぬ顔。


――イラッ



「ローさんの馬鹿たれ!」

「魔法使いに常識を求めない方がいいぜリーシャ」

「シャチおだまり」

「俺の扱いぞんざいじゃね!?」



――アドバイスか何か知らないけれど私は一般ピーポーなんだよ!


――常識を基本に生きていますから!



「まぁ落ち着け。とりあえず合流できたんだ。先に進もう」

「うん。ペンギン賛成」

「リーシャってペンギンには順応だよね」

「ペンギンは常識人だから」


ベポに言われ私は誰かさんと違ってー、とローさんを横目で見る。



「そんな熱い視線を送んじゃねェよ」

「冷めた視線です」



――熱いとか!


ローさんのポジティブな思考は便利だな。


若干呆れながらもてくてくと前に進む。



「特に魔物もいないね」

「油断するなリーシャ。いきなり出てくるかもしれねェぞ」

「そん時はローさんを盾にして皆で逃げよーね」

「お前は俺をなんだと思ってんだ」







「変態」



そう一言告げればローさんはフッと笑う。



「真の変態を知らないお前に何がわかる」

「わかりたくないから!」



――真の変態って何!?


しかもローさんの口ぶりからしてその変態をご存じのようだ。



「パンツ一枚でうろつくサイボーグだ」

「わぁ、真の変態だねそれは」



ローさんは何故か遠い目をしていたが、なんだか触れてはいけない気がしたから聞かなかった。



「どうやらボス部屋に着いたようだ」



ペンギンの言葉に周りを見回すとキラキラと壁が光っていた。



「なんかキラキラしてる……!」

「わぁ!綺麗だね!」



私とベポは興奮しもっと壁に近寄る。



「これ……ダ、ダイヤモンドォ!?」

「マジか!?」



私の叫び声にシャチが反応する。


どうやらこの世界でもダイヤモンドは貴重なようだ。



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