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「しかもいつの間にか場所変わってるし……!」

「神殿にはどうやら魔法がかかっていたみてェだな」


ローさんが冷静に言う。
あぁ、なんかどうなるんだろ。皆無事かなぁ。



「あいつらは大丈夫だ」

「うん。もう心読まれるの慣れたよ」



真面目な顔で言ってくるものだから、こういうのが信頼とか仲間っていう実感があった。
やっぱり昔から知っているような口ぶりだ。



「でも……なんで私の腰に手を回したの?」

「すぐに幻影の魔法だと気づいたからだ。お前を一人にするには弱いからな」

「う!」



来たよドS!!
確かにレベル低いけど最初に比べれば上がったんだけどね!



「私だってもうレベル20だよ!」

「まだ低いな」

「当たり前だよ!皆は私と出会う前から高かったんだもん!」



――あれ?なんかおかしくない?



私は自分の言葉に疑問が浮かんだ。



「どうした」

「えっとー……なんか変だって」

「何がだ?」

「私は皆と出会った時はレベル1だったのに、異様に皆レベルが高かったなーって……」


そうだ。
改めて口に出すと確かに不可解だ。



「そんなもん、お前より強い奴なんて普通にいて当たり前だろ」

「そうなんだけど……」



自分が弱いのになんで皆私に付いていこうと思ったんだろ?



「お前が選ばれた勇者だからだろ」

「そう言われるとそうか」



ローさんの答えがなんだかしっくりきた私はこんだけ悩んどいてなんだが、納得しちゃったよ。
うん。確かにそうだよ。
やっとの事で合点がいき、うんうんと頷くリーシャだった。



「んでこれからどうするローさん」

「下手に動かねェ方がいいな。あいつらをここに集める魔法でも使うか。――それまではここで待ってるしかねェな」

「やっぱこうなるのかぁ……」



ため息をつきうなだれる私にローさんは火を起こすぞ、と手の平を下に向けた。
するとボォと出現したたき火。
すご……。
魔法使いって便利だな本当。



「これで少しは明るくなったな」

「うん……、なんかこの神殿不気味……」



薄暗くて少しも音がしない。



「怖いのか?」

「まぁね……、今までも全部本当はすごく怖かったんだよ」



隠す必要などない本音にローさんは静かにこちらへ歩み寄ってきた。



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