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「なななな……!」

「まじかよ……」

「コンパスが示しているのはここで間違いないな」



私とシャチがわなわなと震えている中、ペンギンの固定の言葉に悲鳴を上げる。






「大変だな」

ローさんの言葉に「人事!?」とつっこむシャチ。



当たり前だ。
だって、





「無理……」



砂漠には砂嵐がふぶいているんだから――。



「砂漠っていうルートを最初の分岐で避けてきたのに……」



なのに意味がない。
干からびる以前の問題だよねぇ!?
私が唸っているとローさんが再び得意顔で肩をポンと叩いてきた。



「安心しろリーシャ」



そう言ってローさんは手を砂嵐に向かって掲げる。



「……えぇ!?」



するとみるみる内に消えていく砂嵐。



「す、凄いよローさんん!!まるで大魔法使いマーリンみたい!!」



興奮しながら私は手を叩き合わせる。
シャチ達もほー……と感心していた。
あれ、もう少し驚いてもいいんじゃないの?



「俺達はあの人の実力を知っているからな」



「そんなにローさんって凄いの?」



ペンギンが言った言葉に私は首を傾げる。
っていうかまた心を読んだなペンギン。



「なんせ俺は大魔法使いだからな」

「びっくりした!」



いつの間にか私の後ろへいたローさんに驚いた。
本当不思議人間だなぁ。



「そんな人だったんだ……」



やっぱり魔王倒せるんじゃない?とまた思った私。



「入ろうよ!」

「あ、そだね!」



ベポの声によって私達は砂嵐でよく見えなかった神殿のような建物に向かった。










***












「なんでこうなるの……」

「赤い糸が必要だったなこれは」



神殿に入った私達は最初、道が別れている場所があることに驚きつつどうするかと悩んでいた。
するとどうだろう、突然神殿全体が霧に包まれたのだ。
本当にあっという間のことだったのであたふたしていた私。
すると誰かが私の腰に手を回し、そう感じた時には霧が晴れていた。
そしていざ霧が晴れると私の腰に手を回したのはローさんだったと判明。
経緯の発端はこんな感じで冒頭の言葉へと戻るということだ。



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