02
移動場所
砂漠
森←決定
雪山
森に行きます。
なにこの選択肢ぃ!?
砂漠とかこっちが干からびるわ!
雪山とか凍死確実だし!
まだ森の方がマシだよ!
でも森も森で怖いよね……。
蛇とか熊とか。
「アイアイ呼んだ?」
そうそう熊とか……
「熊ぁ──!?」
「熊ですいません」
「打たれ弱!」
うわ、いくら勇者でも喋る熊には驚くわ。
私は勇者じゃないけどね!
「あ、君もしかして勇者?」
白熊はよく見ると可愛くて愛らしい。
「違います」
「え!??」
でもそれとこれとは別。
私の答えに白熊は「困ったなー、これじゃあ」とぶつぶつ言い出した。
なんか怪しいぞ。
白熊をじっと見ていると慌てたように相手は笑った。
「あ、ご、ごめんね。えっと……もし良かったらおれも魔王対峙についていっていい?」
なんと!
私に助っ人をしてくれるのか!
この祭白熊の変な呟きには目をつぶっておいてあげよう。
「もっちろん!喜んで!」
「わぁ、ありがとう!俺ベポっていうんだ」
「私はリーシャ!」
「そっかリーシャかぁ」
お互い握手をして抱きしめ合った。
ベポってふかふかぁ……。
モフモフの毛に癒しを手に入れた私はベポと談笑しながら森の中を二人で歩き出した。
***
「え!じゃあ魔王って……」
「うん。若い女の子をいけにえに差し出せば手荒な真似はしないって言ってた」
「魔王って女の敵……!」
ベポは被害に遭った村の人間の一人らしく(熊だけど)、今では女性一人村にはいないらしい。
全くその魔王は女性を差し出させてなにをさせているのか。
「えっとね……抱くとか言ってたよ」
おいおい熊こう、お前本当ナチュラルにそんなこと言わないでおくれ。
さらっと濃い言葉を吐いた熊に、笑顔でそっかーと内心毒づきながら大人の対応をした。
相手は熊。
その言葉の意味を知らずに使っているに決まっている。
「それはまた偉いご身分だねー」
「う、うん……」
あれー?
極上の笑顔で同意しているのになんでベポはそんな顔を青くしているかなー?
逆にその極上の笑顔がベポの恐怖心を煽っているのだが、彼女にとってはもはや考える余裕などない。
「ベポー……」
「な、何?」
彼女の黒いオーラにたじろぐクマ。
「私ね決めた」
「な、何を?」
ベポの問いにリーシャはゆるりと振り向き。
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