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- ナノ -
 
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ベポと盛り上がりながら私は宝箱をゆっくりと開けた。

――ガチャリ

金属音を響かせながら覗いた代物。



「これって……何?」


それは瓶に入った怪しい液体だった。

「それはポーションだ」

「!!――これが有名な!?」

ポーション――よく冒険モノのゲームに登場するHPを回復させたりする万能薬の一つだ。

「わぁ……初めて見た……」

「初めて?あァお前って世間知らずなんだなァ」

「失礼な!シャチみたいに下品な人間よりマシ!」

「お前の方が失礼だな!?」

シャチがギャンギャン言ってるけど、今はポーションをまじまじと観察。

「万能薬かぁ……じゃあローさんが管理するのに適任だね。魔法使いだし」

「あァ。お前がピンチに陥ったら使ってやらないでもない」

「やっぱり私が持っとく」


真面目に言えばローさんは笑ってちゃんと使ってやる、と言って私からポーションを引っつかんだ。

上から目線なのが納得いかないけど、まぁ今回は我慢するとしよう。



***



「な、なんか陰湿な雰囲気な場所についたけど……」

なんかツルが生い茂ってるし、怖い。

「大丈夫か。なんなら俺に抱き着いても――」

「ベポ、私を守ってね」

「………」

ローさんがなんか言ったけど、スキルでかわした。

私最近スキル増えたな。

勇者だから?

そんな感じでベポに引っ付いていると突然地響きが起こった。

「きゃあ!何ぃ!?」

驚いていると地響きは止み、代わりにドスンと何かが落ちて来た。





「ケ……ケンタウルスーー!?」

まさかまさかまさかまさかまさかまさかまさか!!


「ボスだな」

「ボスだよな」

「ボスだ」

「中ボスかな?」

上からペンギン、シャチ、ローさん、ベポで言葉を発した。

「なんでそんな他人事なの!?」

ボスなんて言われなくてもわかってるから!

そんな私の焦りに四人は余裕しゃくしゃくで武器を構える。

あ、やっぱり戦うんだ……。

「こん棒でしか無理だよ……」

ただ侵入者は私達で向こうは番人なだけなのに。


わかってるけど、わかってるけど私達が悪いのだ本当は。

けれど戦わないとこちらがやられる。



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