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「え!ななな何!?」

「落ち着け」

「無理!」

なんで貴方は落ち着いていられるのさペンギン!!

「気を楽にしろ」

「なんかキメ台詞きたよ」

気を楽にしろなんて無理だろ、しかも魔物相手に!

「フフ……」

不適な笑みを浮かべたローさんは刀を抜いて空気を切った。

するとびっくり、なんと魔物がスパスパと切れたではないか。

「て、手品……?」

「違う、魔法使いだ」

「ま、まじか!うわぁ……ローさんすごーい!」

ドラクエでは必須の魔法使いがローさんだったのか……。

「単純……」

「黙ってろ」

「いででで!」

ペンギンがシャチの足を踏んだ。

そんな二人に気づかないリーシャはローにくぎ付けだ。

「フフ……どうだ、俺の強さわかったか?」

「うんうん!ローさんめっちゃくちゃ強いよ!格好いい!」

「惚れたか?」

「なんでそうなんの」

なんか今ので台なしだよローさん。

残念だよローさん。

得意顔で喜んでいるローさんを憐れんだ私は魔物がバラバラになって動いていることに気づいた。


「ひっ!気持ち悪い絵図……」


私は早くここから立ち去りたくてローさんの体を前に押した。



***



「ふー……今日も疲れた」


「お前戦ってねェだろ」

「歩き疲れたんですー!」


リーシャとシャチのやり取りを見ながらペンギンはちらりとローを見た。


「もうそろそろ寝た方がいい。明日も早いからな」

俺がそう言うとベポを始めとした三人が返事をして互いに宛がった宿の部屋へ入っていった。

今回は難をきしてなんとかリーシャを一人で寝させることに成功した。

本当にあいつは危機感というものがない。

三人が自室へ入ったのを確認した俺はあの人へ顔を向ける。

「何か言いたげだな……外へ行くか?」

「もちろんそのつもりですよ」


ニヤリともう何年も見てきた笑みを浮かべたこの人と宿の外へ向かった。



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