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そう首を傾げながら尋ねるとローは首を横に動かす。



「この世界のマニュアルを読んでた」

「マニュアルぅ!?そんなもんがあるの!?」



ローによれば自分達は世界のルールに従って行動していたので他の世界の干渉は出来なかったらしい。
だからリーシャの世界を知る為に二年前に来る途中でマニュアルを読破していたというわけで。
マニュアルなんてあるのかと途方に暮れる。
そんな顔をしているとローがフッと吹き出すように笑った。



「そういえば、勇者として最後の願いは何を願ったんだ?俺達が世界から追放されたのはお前が何か言ったんだろ」

「まぁね、追放とまでは言ってないけど」



リーシャは苦笑しながらローに言う。



「全員私にくださいって願ったの」

「とんだ我が儘だな」



お前らしいけど、と言われた。
我が儘だったかもしれないが、リーシャは後悔などはしていない。
こんなにも楽しそうに笑みを浮かべる元魔王の姿が見られたのだ。



「でも魔王も幸せになれたでしょ?」

「確かに、な」



目を細めて思い出している彼は次にはニヤリと不適に笑う。



「じゃあ、幸せついでに未来の天才外科医の俺と結婚してくれねェか」

「調子に乗るなああ!」



全く変わらないローにそう言いながら「もう!」と怒れば、



「魔王と勇者が結ばれるなんて、これ程世界の平和に貢献できることはないだろ。なァ、勇者様?」



と、元勇者の手を握り食堂という公衆の面前で熱い熱いキスをしてくれた元魔王に正義のパンチを繰り出したのは大学の武勇伝で延長と語り継がれることだろう。




かくして――勇者に惚れた魔王と、そんな魔王に満更でもない勇者は密かに顔を赤くしていましたとさ。

















私は夢で壮大な冒険をしました。
けれどそれは夢ではありませんでした。
悔しい気持ちもやり切れない気持ちも全部本当だと心の奥底はずっと覚えていて。
だから私は彼等とまた出会えたんだと思います。
これからも現実が私達を阻むかもしれない。
けれど私達は決して立ち止まるつもりはありません。
だってここに確かな未来があるから。
諦めなければ希望があることをちゃんと知っているから。
私はあの時スタートボタンを押しませんでした。
その時は何故かわからなかったけれど、今ならわかります。
だって私達の冒険は――











たった今、始まったばかりだから。
























エンドロールは終わらない


















リトライ?
それは何か美味しいものですか?









































END



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