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ベポが落ち込みながら呟く。



「貴様なんぞに鼻から興味はない。わらわには恋慕う者がおる故」

「え!好きな人がいるんですか!?」



眠気なんて後回しだ。
リーシャは女帝のコイバナに飛び付く。
ハンコックは今までの表情全てが嘘かの様に恋する乙女の如く頬を染めた。



「うむ。わらわの未来の夫よぞ」

「夫!」

「それは本人公認か?」



ローが尋ねるとハンコックは途端に噛み付く。



「な!無礼者!言葉は違えど「良い奴だなお前」と好感触だったのだぞ!」

「それは意味が違うと思う」



ベポが訂正するがハンコックは跳ねつける。
余程侵害だったらしい。



「わらわの愛しい伴侶が嘘をついていると申しているのか!身の程をしれ!」

「………」



リーシャ以外の二人はお手上げだと口を閉じた。
そこで女のリーシャはハンコックと片思い中の人との馴れ初めを聞く。



「あれはもう忘れもせぬ事よ。ニョン婆が申すには“恋はいつでもハリケーン”らしいのぉ」



それから徹夜にかけてハンコックのコイバナの幕が上がった。
ベポはとうに眠っていたのにローはずっと起きてリーシャの横に鎮座していたのを確かに覚えている。
何故かと聞かなかったのはコイバナに夢中だっただけの話だ。
翌朝になるとハンコックは夢から覚めたように「時間に気付かなんだ」と可愛い発言をしてリーシャ達に朝食を出してくれた。
目がショボショボするのでローに「私の目大丈夫かな」と聞いたところ「きっとあと二回徹夜すれば俺とお揃いになるはずだ」と冗談でも末恐ろしかったのでご飯を腹いっぱい食べた後には即刻ベッドに入った。
隈なんて美容の大敵だと思ったがそれ以前にローと同じ顔になる事は絶対に回避したい。
次に目が覚めたのは夕刻だった。
一日中ずっと寝ていたので身体の節々が痛い。
明日はもっとハンコックや九蛇の人達と親交を深めようと心に決める。



「むにゃむにゃ……おはよー……」

「おはようって何だよ。もう夕方だっつーの」



シャチが椅子に寛ぎながら座っていた。
ペンギンとベポの姿もあり、リーシャも中央に腰掛ける。



「皆昨日寝るの早かったんでしょ?私なんて今日初めて寝たんだーい」

「今日!?」

「ベポは事情知ってるよねー」

「アイアイ。徹夜明けまで女帝と話してたらしいよ」

「マジかよ……」



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