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- ナノ -
 
08


シャチを殴り飛ばした私は笑顔でカタカタと震えている二人に振り向いた。








「魔王ぶっ殺す」

本当ありえない。

なんなの?

魔王だからってやっていいことと悪いことくらいわかるでしょーが。

団子屋ごと潰してしまったことに気づいたリーシャはハッとそこで我に帰る。

「あ、ごめんねシャチぃー!」

叫びながらシャチを救出しに行く。

大丈夫かな?やり過ぎたな私。

「ん?」

突然レベルアップの効果音が私の周りから響いた。



タッタタタタラーン♪




勇者 レベルアップ!


LEVEL10



「上がったあー!?」

まさかのレベルアップ!?

シャチ殴ったから!?

シャチ経験値多いな!

1から10に一気に上がっちゃったよ!

「いってェー……」

「あ!シャチ!」

パラパラと穴が空いた団子屋からシャチが出てきた。

私は慌てて駆け寄る。

「ごめんね!痛かったよね!」

「いや、平気だ。つーかお前店に穴空ける程の怪力があったんだな……」

うん。私もびっくりした。

もしかしてこれが選ばれし勇者の力?

ていうか。


「シャチ、あんたもなんだかんだで私のパンチ受けたのにピンピンしてるよね?」

「あ?俺は鍛えてっからな!」

「まじ?パラメータ見せて」

と私は勝手にシャチのパラメータを表示した。

「お前人のプライバシー見んなよ!」

シャチの言葉を無視してパラメータを見る。




シャチ レベル40




「なんたること!シャチが私より強いなんてっ!ショック!」

「失礼だな!」

私がショックを受けていると後ろから肩にぽん、と手を乗せられた。

「お前……」

「ん?どうしたのペンギン?」

ペンギンは驚いた表情で私を見ている。

「いつの間に人のパラメータを表示できるようになったんだ?」

「え?なんていうか……こう、なんとなく?」

そんなスキル私だって今気づいたばかりだ。



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