03
ペンギンが新米クルーに話終わると、新米は感嘆の声を上げていた。
「へぇー!そんなに前からなんですね!」
「まぁな……あの時から俺達がいる島にはあいつが必ずいるんだ」
ペンギンがそういうと、新米クルーは彼女の方へ向いた。
すると少女は意味がわからないという顔をしながら新米クルーを見た。
「な、なに…?」
新米クルーは彼女に憐れみの目を向けながら
「……お疲れ様です」
と少女に言った。
「なぁっ!?」
その言葉に彼女は肩を震わせて、
「あんたなんかに同情されたくないわっ!」
と新米クルーに怒鳴った。
「まぁまぁ、リーシャ落ち着いて……」
「ベポ、あなただけは大好きよ!」
ベポが彼女を宥めると、少女はベポに抱き着いた。
「リーシャ?」
「彼女の名前だ」
ペンギンがそういうと新米クルーは、あぁ!と納得した。
すると新米クルーは突然考えこんだ後、疑問を口にした。
「でもなんで船長なんですかね?」
新米の疑問にロー達はピタリと足を止めた。
「いままでそんなこと考えたこともなかったな……」
ペンギンの言葉に同感だった。
確かに他にも沢山海賊がいる、このグランドラインの中で何故このローなのかという疑問が浮かぶ。
「……おい、リーシャ」
ローがリーシャの名前を呼びながら後ろを向くと、すでにリーシャの姿はなかった。
「チッ、あいつどこいきやがったんだ」
「あいつなら用事があるとか言って帰りましたよ?」
シャチが笑いながら報告をする。
「また次来たときに聞けばいいんじゃないですか?」
「……そうだな」
シャチにローはそう言うと足を再び動かした。
(当たり前の存在に俺達は違和感をおぼえなくなっていた)
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