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- ナノ -
 
31

意識がまるでふよふよと浮いているような感覚を感じる。

(額になにか……?)

微かな重みを感じゆっくりと瞼を開けた。

「ん……タ、オル?」

リーシャが額から手に取って持ち上げた物は濡れたタオルだった。

(なんで……、てゆうか、ここどこ?)

怠さが残っている身体を少し捻り、周りを見回しす。

「え、ここって――」

――ガチャ

リーシャが驚いていると、突然扉が開いた。

「あ!リーシャ、目が覚めた?」

「ベポ……」

入ってきたのはリーシャの癒しである白くまのベポだった。

「待ってて、今キャプテン呼んでくるから!」

「え!ま、待って……!」

リーシャの声は虚しくパタリと閉まる扉。

(どうしよう……!)

まさか助けられるなんて思わなかった。

リーシャは一刻も早くここから出なくてはと思い、ベッドから起きた。

「っ……」

ベッドから下りて足が床についた瞬間、頭がグラリと痛みリーシャは頭を手で押さえた。

「なにやってる」

「!」

声が聞こえた方を見ると扉の入口にトラファルガー・ローが立っていた。

「あ、看病してくれてありがと!もう治ったから私帰るし!」

早々にお礼を言ってトラファルガー・ローが立っている入口に足速に向かう。

「――まぁ待て」

「ちょ!」

しかし、トラファルガー・ローに、すれ違いざまに肩を捕まれた。

と思うといきなりベッドへ戻され押し倒された。

「治ってねェだろ。病み上がりの病人は医者の言うことを聞いておけ」

リーシャは偉そうなトラファルガー・ローに正論を言われカチンときた。

あんた医者は医者でも死の外・科・医・でしょっ!

「そ、そんなことより私が乗っていた船の人達は――」

「生きてる」

「へ?」

トラファルガー・ローの言葉にリーシャは目をキョトンとさせる。

「あ、あ〜……あんたってそういえば一般人には滅多に手をあげたことなかったかも……」

リーシャは昔からのハートの海賊団の行動を思い出しながら納得する。




(そこら辺の海賊よりはまだマシなのよね……)


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