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- ナノ -
 
30

襲った貿易船に乗っていたリーシャ。

だが、彼女は熱によって弱っていた。

今のハートの海賊団は困惑仕切っていた。

目の前の長年の犬猿の仲のような関係の少女に、どう対応すればいいのかと。

「はぁっ……ううっ!」

リーシャがよろけると、ハートの船員達は肝を冷やした。

(((ああっ!!)))

だが、リーシャは体制を立て直すと、腰にあるサーベルを鞘から抜いた。

「っ……、手は出させないっ」

リーシャがそう呟くのと同時に、海賊団に切り付ける。

「そんな力も残ってないだろ……」

ローは呆れたように、その攻撃を軽く避けるとリーシャの首に手刀を当てた。

「うっ!」

リーシャがうめき声を上げると、ずるりと体が傾く。

その身体をローはふわりと抱き留める。

「船長……」

ペンギンがリーシャとローを見ながら問い掛けてきた。

ローはペンギンが何をいいたいのかわかっていたため、「わかってる」と答えた。





(俺も損な役割だな)


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