襲った貿易船に乗っていたリーシャ。
だが、彼女は熱によって弱っていた。
今のハートの海賊団は困惑仕切っていた。
目の前の長年の犬猿の仲のような関係の少女に、どう対応すればいいのかと。
「はぁっ……ううっ!」
リーシャがよろけると、ハートの船員達は肝を冷やした。
(((ああっ!!)))
だが、リーシャは体制を立て直すと、腰にあるサーベルを鞘から抜いた。
「っ……、手は出させないっ」
リーシャがそう呟くのと同時に、海賊団に切り付ける。
「そんな力も残ってないだろ……」
ローは呆れたように、その攻撃を軽く避けるとリーシャの首に手刀を当てた。
「うっ!」
リーシャがうめき声を上げると、ずるりと体が傾く。
その身体をローはふわりと抱き留める。
「船長……」
ペンギンがリーシャとローを見ながら問い掛けてきた。
ローはペンギンが何をいいたいのかわかっていたため、「わかってる」と答えた。
(俺も損な役割だな)
[ back ] bkm