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「はぁ、私って運が悪いのかな……」
「はァ?何言ってんだお前」
「こっちの台詞だよ、シャチ……!」
今私は何故かハートの海賊団のトラファルガー・ローを筆頭とするクルー達と昼ご飯を食べていた。
「なんで私があんた達と一緒にご飯なんか……」
私がぶつぶつ言っていると、ムカつく要因の一つであるトラファルガー・ローが口を開いた。
「ぶつぶつ言う前にさっさと食べろ」
「煩いわね、私に命令しないで!」
「ふん、俺に命令するな」
(なっ、この隈が!)
私がトラファルガー・ローに言い返そうとするとペンギンが話し掛けてきた。
「リーシャ、お前の好きなストロベリーワッフルが来たぞ」
「え、本当だ!ありが……て、なんでペンギンが私の好きな物を知ってるの!?」
「少し前にベポがお前の好きな物がこれだと言っていたからな」
「………」
確かにベポにそんな事を言ったような気がする。
まぁ今はストロベリーワッフルが目の前にあるからありがたく頂く事にした。
(あ、やっぱり美味しい……)
ふわふわの歯ごたえとほのかに香る苺がなんともいえず、私は頬の筋肉を緩めながら少しずつ口に入れる。
「なに……?」
食べている間視線を感じちらりと見てみると、トラファルガー・ローが口角を上げながらじっと私を見詰めていた。
「ククッ……気にするな」
(気になるに決まってるでしょ……!)
トラファルガー・ローにずっと見られるのが嫌で、顔を横に背ける。
けれど、気配でまだ彼が笑っているのを感じ、私はさっさと食べ終わって宿に帰ろうと思った。
(だって、食べている姿をじっと見られるなんて嫌だから)
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