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「……仕方ねェな」



全く残念そうに見えない船長はそう言うとリーシャをゆるりと離した。



「っ!」



リーシャは顔が赤いまま腕が離れるのと同時に走り去った。



「フッ、行っちまったな」



船長はしばらく彼女が走り去った方向を眺めた後、何も言わずに船へ戻って行った。



「やれやれだな」



俺は船長のリーシャに対する態度に苦笑いをした。



(船長がストレート過ぎるのも考えものだな……)



俺がそんなことを思っていると、



「ちょ、ペンギン〜助けてくれェ!」



今だにバラバラのままのシャチに泣きつかれ、俺はまたため息をついた。
























「と、まぁそんな感じだったな」

「そんな事があったんですか……」

「あぁ」

「俺は船長に雪球投げるなんて命知らずな行為なんて絶対しないですね!」

「普通なら本人にバラバラにされているところだな」



ペンギンさんの言葉に俺は確かに、と身を震わせた。



(……あれ?でも)



俺はふと疑問が浮かび、ペンギンさんに再び質問をした。



「でもリーシャさん船長に結局バラされなかったですよね?どうしてですか?」



俺がそう言うとペンギンさんは口元を緩めながらさぁな、と呟く。
俺はペンギンさんの言葉に引っかりを感じたが、これ以上は聞かない方がいいような気がしたからそれ以上は聞かなかった。








(謎は深まるばかりだ)


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