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そんな時だった。



「はぁっ!」

「ふっ、見切ったァ!」



―ヒュッ



「……!」



―ボスッ



「………」

「……へ?」

「ひぃぃ?!」



なんとリーシャが放った雪球をシャチが避けたのと同時にその後ろにいた船長の顔面にヒットしてしまった。



(これはやばいな……)



船長のドす黒いオーラを真横に感じた俺は静かに後退った。



「……お前ら」

「すすす、すいませんしたァ!!」

「あ、ご、ごめん。当てる気はなかったのよ」



シャチとリーシャは威圧感たっぷり船長に圧され、おろおろしながら謝った。
だが、



「誰が許すかよ」



船長はそう言うと能力を発動した。



「!」

「んげっ!」



すぐに攻撃されると察知したリーシャはサークルから抜け出したが、シャチは反応に遅れバラバラにされた。



「なんで俺だけェ〜!?」



シャチの悲痛な叫び声など気にしていない残りの船長とリーシャはお互い、(正確にはリーシャだけだが)



睨み合っていた。



「ほォ、流石だな」

「当たり前よ。もう何回能力を見たと思ってんのよ」

「だが俺に勝った事なんてねェだろ?」

「当たり前よ、私はただの賞金稼ぎであんたは能力者!そっちにハンデがありすぎて勝てないだけよ」

「ククッ……、よくもまァ口が回るな」

「フン、お互い様よ」



彼女が悪態をつくと船長は確かにな、と呟いた。



「だが」

「……!」



船長が言葉を切るとシャンブルズと声を発し、リーシャが驚いている内にいつの間にか持っていた雪球と彼女の位置を入れ替えた。



「油断したな」

「なっ!ひ、卑怯よ!」

「海賊にそんな言葉が通じるわけないだろ」



船長はおかしそうに口角を上ながらリーシャの反応を見ていた。
そんな感じで船長が彼女に寒いなら温めてやろうか、なんて耳元で言うものだからリーシャの顔は真っ赤になり口をぱくぱくと動かす。
さすがに同情し始めた俺は船長、と彼女を離すように言った。


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