20
「此処どこ?」
私は只今絶賛迷子中だったりする。
言っておくが決して私は方向音痴などではない。
なぜなら私が今いる島は「迷路島」と言って島全体が迷路のように複雑だからだ。
「あはは……、これは流石にやばいなぁ」
私は島の人に渡された地図を見ながら歩く。
でも、ぶっちゃけ地図は意味をなさないと思う。
「んー、どうしよう……」
私がそう呟くと後ろから足音が聞こえてきた。
「私ってラッキー?あの、すいませ」
私は後ろを向きながら言った時、驚きで声が途切れた。
「え、ベポ……?」
「あ!リーシャ?!」
なんと、住人だと思っていた私はベポだと知り心の中で残念に思った。
「……ベポがいるって事は、ハートの海賊団がこの島に到着したんだね」
「うん。でも俺皆とはぐれちゃって……」
「ベポもか……、実は私も迷った」
「え?リーシャも?」
「あはは……、私達仲間だね」
「そうだね!」
私達はここは共同線を張る事が一番の妥協案だと話し合い、一緒に出口を目指す事になった。
「ねぇねぇ、リーシャ」
「なに?」
「リーシャはこれからもずっと、俺達を追いつづけるの?」
私はその言葉にピタリと足を止めてしまった。
「な、何言ってんのベポ。そんなの当たり前じゃない!」
「そっかぁ」
「そうだよ……」
ベポの言葉に私は一瞬心臓が跳ねた。
「そ、そんな事より早く出口を見つけないと昼ご飯食べれなくなっちゃうよ!」
「えっ!そんなの俺嫌だ!」
私がそう言うとベポは慌てながら催促した。
「待ってベポ。余計に迷子になるよ」
私は苦笑いしながら道を進んだ。
(ねぇ、貴方達との出会いは私の人生を大きく変えたんだよ)
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