シャボンディ諸島
「あーあ……」
私は今日もトラファルガー・ローとハートの海賊団を追って島についていた。
ついたのはいいのだが、なんとこの島にはトラファルガー・ローを含むルーキーと呼ばれる億超えの賞金首がたくさん滞在しているらしい。
「ついてないなぁ……」
シャボンディ諸島というだけあり、島全体は凄く幻想的だ。
でも問題なのはこの島の裏の姿にある。
「ていうかあの隈野郎はどこに――」
――ドカァーン!
私が愚痴りながら歩いているとすぐ近くにある建物からモクモクと砂煙りが上がっていた。
どうやら民間人が叫んでいるのをまとめると、怪僧ウルージが暴れているらしい。
迷惑だ。
暗黙のルールくらい守れ、と内心悪態をつく。
私はもちろん自分の力量をわかっているため騒ぎとは別の方向へ歩き出す。
「ROOM」
「……うわ」
慣れ過ぎて、耳が腐ってしまうぐらい聞いたであろう声に嫌な声を惜しみなく口走る。
「おいおい、久々の対面だっていうのに随分じゃねェか」
「あらあら今日も一段と濃い隈をこさえているトラファルガー・ローさんじゃないですかー」
嫌味を刺々と言う私にトラファルガー・ローは相変わらず腹の立つ表情を浮かべる。
「……リーシャ、か?」
「え?――もしかしてドレークさん……?」
トラファルガー・ローの他に懐かしい声色が聞こえ後ろを向くと一昔前とは雰囲気が全く逆の人物がいた。
「やはりな。本当に久しぶりだな」
「はい。相変わらず律儀に生活してますか?」
「あぁ。……すまないがそろそろ行かなくてはいけないんだ」
「そうですよね。また今度ゆっくり話しましょうね」
私がドレークさんに手を振ると彼も紳士の如く手を上げて去って行った。
「で、あんた一体さっきからなんなの?」
ドレークさんと喋っている時からずっとトラファルガー・ローは射ぬかんばかりに見てくるのだ。
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