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「お前“死の外科医”トラファルガー・ローだな!」
「……そうだが?」
「その二億の首をもらうぞ!」
今日は船長と俺達で町を歩いていると、船から降りて町に入るまでずっと付けていた賞金稼ぎ達が襲撃してきた。
「はぁ……、ベポ!」
「アイアイキャプテン!」
――ゴッ
「ぐはぁ!」
「なんて機敏なクマなんだ!?」
ローが名を呼ぶと、白いクマが賞金稼ぎ達に次々と攻撃をしかける。
そして、あっという間に男達は全員地に倒れた。
「さすがベポだな!」
「相変わらず見事な体術だな」
ベポが戦い終わると、二人はその戦いっぷりを評価した。
「へへっ、ありがと!」
ベポが頬を染めながら照れていると、キャスケットがあることに気づいた。
「そういや、まだリーシャのやつ見てねェな?」
「確かにそうだな……」
俺達は祭の島から次の島へ移動し上陸してからもう五日経っている。
なのに何故か姿を表さないリーシャ。
おまけに、この島には賞金稼ぎ達がうようよいるらしく、すでに俺達は今のを合わせて五回も襲撃されている。
「一日に必ず一回は船長の首を狙ってくるなんて……さすがに疲れたぜ」
「フ……船長がルーキーだからな」
ペンギンは口元を笑わせながら俺に言った。
「キャプテンはモテモテなんだね!」
「いや、男にモテても嬉しくないだろ!?」
的外れなことをいうベポに俺はツッコミを忘れなかった。
というかモテるの意味ちげーよっ!!
(モテる船長を持つのも大変だ)
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