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14

それは俺が買い物をしている時だった。



「1万8千1ベリーです」



店員が商品の値段を言うと、俺は財布から1万8千ベリーを出し終わった後にそれは起こった。



「やっべ、1ベリーがねェ」



たった1ベリーがないだけで商品を一つ返して、もし数が足りないことがバレたら、船長にどやされることを想像すると商品を返品することができなかった。



「あの、あと1ベリーを……」



俺が残りの1ベリーを出さないことに店員が不審に思い始めて、俺は心の中でどうするかと葛藤した。
もうこうなったら金を払わずに商品だけ持って逃げるか……!
そんな考えが過ぎった時だった……。



――チャリンッ



突然後ろから手が伸びてきて俺の出したベリー札の上に1ベリーを落とした。



「へ……?」



俺は意味がわからないまま後ろを見ると、俺より少し背が低い女がフワリと笑いながら見ていた。



「店員さん、これでお願いします」



女がそういうと、店員はホッとしたように商品を俺に渡す。
俺は女が自分の買うモノを支払い終わると、ハッと我に返って女を追いかけた。



「ま、待ってくれ!」



俺はそう叫ぶと女は歩みを止めて振り返った。



「何?万引き一歩手前くん……?」



女の言葉に俺はウッと言葉に詰まった。



「あ、あれはっ」



俺が言い訳をしようとした時、女は肩を振るわせて笑った。



「ふふっ……そんなに焦らなくていいわよ」



女がそう言うと俺も恥ずかしくなり一緒に笑った。



「でもマジサンキューな!」

「ははっ、どういたしまして」



それから俺達は自己紹介をしながら歩いた。



「へぇ〜、シャチは船で旅をしてるんだ?」

「おう、仲間もいて楽しいぜ?」



話している内にすっかり仲良くなってしまった俺は海賊ということは言わずに船乗りと言うことにした。
一般人にとっては恐怖の対象でしかないからだ。
俺は船が死角で見えないところで立ち止まると俺は別れを告げた。


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