「礼ならこれでいい」
トラファルガー・ローは私の首から顔を離すと私の首筋にツー…と指で撫でる。
「っ…!」
私はその行動に恥ずかしくなり、パシリと手を跳ね退けた。
「わ、私帰る!」
私はそう言うと早くここから立ち去りたくて足速にトラファルガー・ローに背を向けた。
「おい」
「な、何!?」
トラファルガー・ローに呼ばれ、私はキッと睨みながら顔だけを向けた。
トラファルガー・ローはそんな私を愉快そうに見ながら
「浴衣、似合ってねェなんて言ってないからな」
トラファルガー・ローはそれだけ言うと私とは逆の方向へ歩いて行った。
「なっ……なによ……」
私は不意打ちの言葉に顔を真っ赤にし、花火の音が聞こえる中、その場に立ち尽くしていた。
(今思えばその時から何かが変わり初めていたのかもしれない)
[ back ] bkm