Scene_1
「だから、いちいちついてこなくてもいいってば!」
少し遅めの夕食のあと。
コンビニに行くとナミが言ったので、そうすることが当然というように、ロビンもまた靴をはき玄関を出たところで、ナミは振り返ってあきれたようにそう言った。
「でも、心配だわ」
それなりに遅い時間だし、と付け足して返すと、ナミは盛大なため息をついてみせた。
「遅い時間って、まだ9時前じゃない。あたしだってもう子どもじゃないんだし、コンビニぐらいひとりで行けるわよ」
「それは、私と一緒にいたくない、ということなの?」
ロビンは少し沈んだ気分を隠さずに、眉根を寄せてしゅんとしてみせたけれど、最初は通じたその方法も、この頃はもう通じない。
以前は少し罪悪感をうかがわせるような、言い過ぎたかなと後悔するような、そんな表情を浮かべて、結局はひとりで出かけるナミを心配してロビンが同行することを許してくれていたのに。
「違くて! もう!」
ナミはじれったそうに言うと、その背中をロビンに向けて歩き出した。
ついて来るなとは言われなかったので、その背中の少しだけ後ろをロビンは歩く。
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