クラクラしちゃうくらいに*咲威様相互文


俺の恋人は属にいうツンデレの部類に入る。
部活中や学校生活ではツン全開で、すれ違うと絡むんじゃねぇオーラをぶっ放している。
あの目怖いんだよなぁ。
まぁ、ツンデレなんだから仕方ないの言葉で全て丸く収まってしまうので何も言えない。
なので二人っきりの時でなければ剣城はデレてくれない。
そして今まさに剣城のデレタイムが始まろうとしていた。


今日は部室の鍵当番の日で、剣城と一緒に皆が居なくなるのを待っていた。
一人また一人と部室から出ていきだんだん静かになっていく。
人が少なくなったのを確認し、窓の鍵が掛かっているか確かめる。
一つでも見落せば後で音無先生のお叱りを受けることになる。


「んー、大体掛かってるね」


一方剣城は待っている間が暇になったらしく、シャワー室で汗を流している。
程よい湿気と蒸気が部屋にこもる。
チラリとシャワー室を覗くと、曇りガラスに映りだされるシルエットに目を奪われた。
細い手足、男なのに少し括れのある腰、色気抜群の体型にドキドキしてしまう。
…いかんいかん、鍵の次は掃除しないと。
首を振って気持ちを切り替え、外にある掃除道具入れからモップを取り出す。
これが終われば後はゴミを捨てて鍵を返すだけ。
部室に戻ってきた時は、俺と剣城しか残っていなかった。
これなら直ぐに終わる。
急いでモップを掛けて、ゴミ箱から袋を取り出して、全力疾走で捨てにいく。
これで終わり、再び部室に戻るとシャワー室から剣城が戻ってきていた。
久し振りに剣城が髪下ろしているところ見たかも。
取り敢えず一段落しようと剣城の隣に座った。
……と同時にいきなり剣城は俺に抱き付いてきた。


「えっ…あの、剣城さん?いきなりどうしたのさ」


無言でギュッと抱き締めながら上目遣いで俺を見る。
これは間違いない、剣城のデレタイムが始まったのだ。
まぁ正しくはデレタイムイコール甘えん坊になるだけどね。
多分本当は普段の学校生活でもこうやって絡みたいって思っているのだろう。
俺は全然、むしろ大歓迎なのだが、剣城にそんな事出来るはずがない。
だから今まで我慢してきた分だけ剣城は俺に甘えてくる。


「もう。だから普段から絡めばいいって言ってるじゃん」


「…ヤダ」


動物に例えるならまさに猫だろう。
スリスリと腕に頬擦りをする剣城の頭を撫でてやると、うっとりと目を細める。
今日は髪を下ろしているから地肌に指が当たる。
気持ちいいのか、剣城は俺の膝の上に頭を預けた。
これはもっと撫でて欲しいという事か。


「ホント子供みたいなんだから」


「悪いかよ…」


「ぜーんぜん、母性本能くすぐられちゃう」


こうやって見ると、剣城って綺麗な髪をしてるなぁ。
艶があってしっかりしてて、柔らかい髪質の俺とは大違いだ。
なかなか触らせてもらえないから撫でるのに夢中になってしまう。
そして気が付いたら剣城は寝息を立てていた。


「剣城…?寝ちゃだめだよ?……もしもーし」


あーあ、こりゃ完全に寝てしまった。
元々疲れてたみたいだったし、これじゃあ暫らくは起きないだろうな。
学校が閉まるギリギリまで寝かせてあげようか。
…でもこんな間近で剣城の寝顔が見れちゃうから、まいっか。
それにしても、実に…


「可愛いなぁぁぁ剣城ぃ」











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いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ///////
もう終始ニヤケっぱなしでした!!デレ京ちゃんかわいいのなんの…最後の天馬の言葉は私の胸中を表してくれたんですよね!!!その通りだよ!京ちゃんはかわいいよ!!←
部室で二人きりというシュチュも完全ツボです…ふう…
ご多忙の中ステキ文をありがとうございました!!これからもよろしくおねがいしますね!!

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