カニカニカニヽ(^。^)ノ
2013.03.21.Thursday
PPPPPP・・・・・
床に固着したテーブルの上のスカウターがアラームを鳴らす。
気だるさの残る顔を起こし、窓に目を向けると、ブラインドの隙間から細い薄紅色の月が見えた。
鳴り止まない機械音を止めるべく、大欠伸しながらベッドを出ようとしたターレスは、軽く太腿を引く感触に驚いて振り返った。
「……ったく」
間接照明だけでは隣に寝ていたカカロットの顔はほとんど見えない。
だが、規則正しい寝息から、穏やかな寝顔は容易に察することができた。
ぐっすり眠っているのは間違いないのに、ターレスの腿に絡みついたカカロットの尾は、決して離れようとしない。
ターレスは苦笑いを浮かべ、カカロットの尾を解くことはせずに身体を精一杯伸ばしてスカウターをとると、アラームを消した。
「……カカロット」
ベッドに戻り、肩肘をついた手に頭をあずけて、優しく囁き黒髪を梳く。
一瞬、カカロットの肩がピクッと反応したが、よほど疲れているのか、また直ぐに眠りに引き込まれていった。
眠ってる間に行きたくないんだがな……
今夜遠征に発つことはカカロットも知っている。
それでも、何も言わずに残していくことが忍びなかった。
「なぁ、カカロット。これが……本当にオレか?」
柔らかな頬に口づけ、照れ隠しに問いかけてみる。
起こしてしまうだろうかと危ぶみながら枕元のライトを一番弱い光に調節して点けると、枕に頬を押し当てたカカロットは幸せそうに微笑んでいた。
「――おまえが見送ってくれないんじゃ、行く気にならないな」
フッと笑みを零し、スカウターを装着する。
深夜の通信にも関わらず、意外なほど早く答えが返ってきた。
「T77-G59」
眠そうな声で赴く任地のコードナンバーを聞かれ、ごく小さな声で答える。
「その遠征、悪いが、メンバーから外してくれ。次のには必ず行く。病気だ、病気。処分?ああ、好きにしろよ」
言いたいことだけ言って通信を一方的に切り、カカロットが起きる気配がないのを見て、ほっと息を吐く。
明日には恐らく軍部の呼び出しを受けるだろうが、初めて二人で迎える朝をフイにする気にはなれなかった。
「恋の病だ……って言ったら、ぶん殴られるかね」
スカウターを外してひとりごち、ターレスはベッドに潜りこむと、カカロットの鼻先に自分の鼻を軽く触れさせた。
明日は軍部の説教を受けるだろうが……
ちょうどいい機会だ。次回の遠征からはカカロットとのペアを増やしてもらうように直談判すればいい。
ターレスは少し冷えたシーツから逃れてカカロットを抱き寄せ、心地よい温もりに身を任せ、眠りへ落ちていった。
微妙だなぁ、もっと甘くしたかったのに、カカさん起きてないやんw
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