寄り道(;>_<;)

2013.01.29.Tuesday



家を出てみると、まだ西の空には丸い月が浮かんでいた。

冬の夜明けは遅い。
吹き付けてきた冷たい風に一瞬めげそうになる気持ちを震いたたせ、一歩踏み出す。ピッチにあわせて一定のリズムで吐く息は白く、カカロットの白い頬も寒さで紅潮し始めた。

ターレスと大喧嘩してから三日。

「お互い頭を冷やすべきだな」

初めて見る厳しい目と冷ややかな怒りに内心気圧されていたが、その時は素直に詫びる気にはなれなかった。
財布と携帯だけを持って出ていったターレスから未だにコンタクトはない。寝不足の瞼を冬の冷気が突き刺す度、熱い涙が瞳の奥を刺激した。

毎朝のジョギングを止めなかった訳は、日常を繰り返していれば、いつかそこに戻ってきてくれるのではないかという淡い期待からだった。だが、いい加減ぼおっとし始めた頭では、続けるのが難しくなるだろう。こみ上げるため息をかみ殺し、角を曲がったターレスは、すっかり歯を落とした銀杏の木にもたれている男を見て、呆然と立ちすくんだ。

「いいペースだな」
「ターレス!!」
「……頭を冷やして、きた」
「ーーっ、ごめ……っ」
「おまえだけが悪いんじゃない。俺も大人げなかったからな」

苦笑いしたターレスにかけより、言い終える前に無我夢中で抱きつくと、大きな手がカカロットの金髪を梳き、青い目から溢れだした涙はもう一方の手で優しく拭われた。

「おまえの為ならこんな早起きもできるんだ。少しは……信用してくれ」
「うん、うん」
「だいたいおまえといて浮気をしたくなるわけがないだろう」
「だって、ターレスは、もてるから……」
「ふん。そっくりそのまま返してやる。ま、おまえは鈍感だからな。周囲の視線にも気づいてないんだろうが」

からかうように笑ったターレスを見上げ、カカロットは納得いかない表情をしていたが、今はその議論よりもかえってきた温もりを抱きしめることにした。




おっと、タイムリミット。何この中途半端w

20:24|comment(0)

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