可愛いから♪

2012.12.26.Wednesday




クリスマスの翌朝。
まだ、夜が明けきらない時刻に目が覚めたターレスは、隣でグッスリ眠っているパートナーを起こさないように気をつけながら、起き上がった。

ヘッドレストに背中を預け、ナイトテーブルから煙草をとる。咥えたものの、すぐに火はつけず、枕元に投げ出されたままの濃いボルドーのマフラーに手を伸ばした。

カカロットがアルバイトをして買ったという柔らかカシミヤのマフラーは、ターレスの服の好みともぴったりで、褐色の肌を引き立てる深い色合いだ。礼を言われて頬を染め、満面の笑みを浮かべたカカロットの素直な表情に悪戯心がこみ上げ、マフラーを手枷代わりにして、自由を奪ったまま抱いたのは、余分なサービスだったかもしれない。だが、快楽に逆らえず、夜の泉のように澄んだ黒い瞳から涙を溢れさせるカカロットの嬌態にそう容易く理性が呼び起こせるはずもなく……

結局、深夜まで滑らかな白い肌に交歓の跡を刻み続け、終いにカカロットはほぼ意識をなくすように眠ってしまった。艶のある喘ぎが嘘のようなあどけなさの残る寝顔を見ていると、時々、らしくもない罪悪感に駆られてしまう。

セックスはもちろん、まだ恋と呼べるようなものすら知らないうちに、強引に身体を奪い、この世に自分しかいないような錯覚に陥らせた。

いつか、何処かで……
自分のような人間よりもカカロットにふさわしい相手が現れるのだろう。

来るべき日として覚悟を決めたつもりでも、想像だけで血が凍りつきそうな激情に身体が震える。

ターレスは少し寝癖のついた髪を片手でかき上げ、溜め息の代わりに火をつけた煙草を大きく吐き出した。

まだ、もう少し……だけ

心に刻んだ思いを伝えるように、枕に頬を押し付けたカカロットの黒髪をそっと撫でる。すると、カカロットは眠りの中からターレスの不安を包み込むような柔らかい笑みを浮かべた。



甘々じゃないかもしれないけど、きっとカカたん(今回は正解w)はタレから離れないもーん(*´∇`*)苦悩する男前を書こうとして撃沈(。´Д⊂)

08:56|comment(0)

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