ひとりでトマさん愛で祭!B(トマタレ妄想付)

2014.10.03.Friday



 至極端的に遠征報告をしているトーマの隣で、ターレスは同じように片膝をついて頭を垂れていながら、心ここにあらずだった。
「――次はもっと早く片付けろよ」
 単なる嫌がらせでしかない下卑た声で現実に引き戻され、ゆっくり顔を上げる。
 お世辞にも美しいとは言い難い容貌の異星人を無言で見据え、口端を引き上げると、予想通り気色ばんでターレスに近づいてきた。
「てめぇ、何か文句があるのか、猿のくせにっ!」
「――別に。オレの心の声が聞こえたというのなら、処分も受けますが」
 顔を真っ赤にして怒鳴っている男を見上げ、ターレスは慇懃無礼を絵に描いたような態度で答えた。
「止めろ、ターレス。――すみません。失礼な態度をとらないように言いきかせておきます」
 片眉を上げ、楽しげに目を光らせたターレスのとフリーザの側近である異星人の間に割り込み、トーマは軽く頭を下げて詫びた。
「ああ、そうしておけ! 貴様ら下級戦士の代わりなんぞいくらでもいるんだからなっ」
 唾を飛び散らせて声を荒げていた男は、まだ何か言いたげだったが、ちょうど呼び出しを受け仕方なく部屋を出て行った。

「勘弁しろ。おまえのせいでこっちまでとばっちりだ」
 左右に開いた扉が元通りに吸い寄せられるのを待って、呆れ顔のトーマが腕組みしてターレスを振り返った。
「オレを庇って死ねるなら本望だろ?」
 生意気な笑みを浮かべ、少し背伸びして顔を近づけると、トーマはハァっと深い溜め息を吐いたものの、ターレスにキスをした。
「そこを否定する気はないが、こんな下らんことでならごめんだぞ」
「予定より早く終えた遠征に言いがかりつけられたんだから、大人しく引き下がれるか」
 フンと鼻を鳴らして答えたターレスの髪を片手でクシャクシャ撫で、トーマは自身の尻尾でターレスの浅黒い太腿を軽く叩いた。
「ま、溜飲下がったのは事実だ」
 ターレスを横目で見てにやりと笑ったトーマの言葉にフッと笑みを返し、並んで歩き出す。だだっ広い部屋を横切って扉の前まで来た時、ターレスはトーマの尻尾の付け根に手をあてた。
「今夜はどっちだ?」
「あ? その質問、まさか上か下かって意味じゃないだろうな?」
 尻尾を振っているターレスを胡散臭そうに見返し、トーマは眉を寄せて問い質した。
「オレが上でも下でも突っ込むのはあんたじゃないか」
「当たり前だろ」
「――たまには味わってみりゃいいのに。ご教示のお陰で、テクニックは自身あるぜ?」
 妖艶な笑みを見せるターレスの腰に手を回して、ほとんど体格差のない相手をグッと引き寄せると、トーマはターレスの唇に触れ合う寸前まで自分の唇を近づけた。
「……この」
 ターレスの唇に吐息がかかっていることを意識しつつ、片手を腰からターレスのアンダースーツに伸ばし、尻尾の付け根を指先でなぞる。ごく一瞬ターレスの身体がピクリと緊張したことに満足しながら、トーマは薄い布の上からターレスの尻と尻の間を指の腹でゆっくりとなぞった。
「……イヤらしい身体が、オレに突っ込むまで我慢できるわけないだろう」
「――っ、あんた、ほんとこういう時は、Sっけたっぷり、だな」
 快感の記憶が呼び起こされ、ターレスの声に熱っぽい息が混ざる。
 トーマは今にも触れてしまいそうな唇を気をそぐようにターレスの唇から遠ざけ、代わりに血管が浮き出た褐色の首筋にキスを落とした。
「アンタの家まで我慢できない」
 濡れた舌がうなじを這う感触に身を任せ、ターレスはトーマの後ろで一つに束ねた髪をギュッと握った。
「なら、どっちも何も……、人目につかない場所なら、どこでもだな」
「ああ」
 短く答えたターレスは、叩くようにして扉を開錠した。




尻切れトンボw
タイムリミットですだ(笑)

22:52|comment(0)

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