たらふく食べた★(タレカカ妄想付)

2014.09.13.Saturday


 軽い振動で目を覚ました悟空は、ハッと息を飲んで運転席を見た。
「ごめん、ターレス! オラ、寝ちゃったんだな」
 顔の前でパンと音を立てて両手を合わせて謝っている悟空を横目で見、ターレスはさほど気にした風もなく、運転の邪魔にならない程度に肩をすくめた。
「疲れたのなら寝ていればいい」
「だってオラの運転の練習についてきてくれたのに悪ぃよ」
 一ヶ月前、免許をとって以来、悟空は通勤や近場へ出かけるのにも車を使い、少しでも運転機会を増やそうとしていた。どうしてそんなに熱心に練習しているんだとターレスに尋ねられ、多少照れ臭いと思いながらも、ターレスと休日に遠出をするためだと答えた。それならと話がとんとん拍子に進み、行きと帰りで運転を交替し、隣県まで出かけることにした。
「元々帰りは夜になるからオレが運転すると言ってあっただろ、気にするな」
「うん。ターレス、昨夜めちゃくちゃ帰り遅かったのに、約束どおりついてきてくれて嬉しかった。ありがとな」
 ホッとした表情で微笑んだ悟空の頭に片手を伸ばし、ターレスは前を向いたまま黒髪をクシャクシャと撫でた。
「あと1時間もすれば家だ。帰り着けばいくらでもゆっくり休め・・・・・」
「ターレス?」
 涼しい顔で答えていたターレスがいきなり言葉を切ったのに気づいて、悟空は不思議そうに首を傾げた。

「……確かに疲れたかもしれないな」
 峠道には珍しい信号がちょうど赤になり、車を止めたターレスのらしくない言葉に目をぱちくりさせつつ、
「へ? じゃ、オラ、運転変わろっか?」と申し出た。
「いや、おまえも昼間慣れない山道を運転したんだ。……お互い休んだ方がいいと思わないか?」
「え? でも、こんなとこじゃ・・・・」
 何もねぇだろと言いかけ、悟空はターレスが信号の向こう側にある建物を見ているのに気づいた。
「おあつらえ向きじゃないか」
「――っ、だ、だって、でも!!」
「嫌なのか?」
「そうじゃなくてっ、オラっ、今日は家帰ぇるって思ってたからっ」
 夜目にも分かるほど真っ赤になり、動揺した様子でまくし立てていた悟空の髪を撫で、ターレスは鼻先に軽く歯を立ててから唇を振れ合わせた。
「・・・・オレにお礼もしたいだろ、悟空?」
「分かっ、たよ・・・・余計疲れても知んねぇからな!」
 ごく僅かな刺激すら身体の奥に潜む快感の記憶を呼び起こすようで、それ以上逆らえそうもなくなった悟空は、青信号に合わせて車を発進させたターレスが安っぽいネオンに彩られたラブホテルに向けたハンドルを切るのをジッと見ていた。




これカカ空しゃんでも可愛いですよね/////
でも、タレカカでもまた違う味わいなのです☆

23:39|comment(0)

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