にへにへ(*´∇`*)

2014.07.10.Thursday


「こりゃ朝まで止まないな」
 バスルームから出てきたターレスは、点けっぱなしのテレビが繰り返し伝える台風の進路を見て、肩をすくめた。
「……電車が運休で、地下鉄が飽和してるんだって。バス停はここから遠いんだっけ?」
 スマートフォンの画面で運行状況を確認していたカカロットに大判のタオルを差し出したが、受け取る前に問いかけてくる。
「ああ、だいぶ歩く。まぁ、この嵐の中じゃずぶ濡れになるのに一分もかからないから、遠いも近いもないだろうが」
「そうだよなぁ」
 思案顔で窓の外を見ているカカロットに近づき、ターレスは子どもの世話でもしているように、家に着く直前に降り出した雨のせいで濡れてしまった金髪をタオルで拭いてやった。
「オレの責任だからな、うちに泊まっていけ。ベッドはオレのを使えばいい。明日は仕事も休みだから、着替えがなくても大丈夫だろう」
 週明けからの出張に必要な書類をオフィスに忘れてしまい、慌てて連絡をしたら、ちょうど帰るところだったカカロットが届けてやると言った。だが、家が近いわけでもないカカロットに頼むのはさすがに申し訳ない。セキュリティボックスに入れてくれるだけでいいと言ったターレスに、カカロットはどうせ暇だから大丈夫だと頑なに繰り返した。

「……良かった」
 カカロットはふぅっと長く息を吐き、少し目を細めて曖昧な笑顔を作った。
「なんだ?」
「ターレスの忘れもの届けに来る時から、もしかしたら帰れなくなるかもって思ってた。でも、強引に来て鬱陶しいだろうなっていうのも分かってたから、タクシー呼んでやるって言われたらどうしようかと思って」
 小首を傾げ、青い目で何かを訴えかけながら、片手をターレスの腰に回す。
「こんなまたとない機会を逃すと思うか。天までオレに味方してると思って当然だろ」
 お互いの息遣いまで聞こえそうな距離に身体を寄せてきたカカロットを片眉を上げて見返し、ターレスはニヤリと笑った。
「天の助けなんてなくても、誘ってくれればどこにでも行ったよ」
「……焦らしてもまだオレを選ぶのか見極めてからじゃないとな。おまえなら引く手あまただろ」
「ターレスこそ」
「そうモテやしない」
 クスクス笑ってうそぶくと、ターレスはカカロットに軽くキスをした。
 


っていう、そんなこんなが今朝書きたかったのです(;´▽`A``

22:17|comment(0)

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