悔しいが、、萌えた・・・・

2014.05.06.Tuesday

「おい、大丈夫か?」
 氷が解け、水になったグラスをかろうじて倒さず持ったまま、テーブルに突っ伏して寝ている男の肩をゆすり、トーマは自分のグラスに残っていたストレートのウィスキーを一気に飲み干した。
「ぁあ!?」
「起きろ、もう閉店らしい」
 実はさっきからもう何度もカウンターの向こうのマスターと目が合っていて、そのたび、酔いつぶれた男の肩をゆすっていたのだが、ようやく気がついたようだ。
 だが、ホッとしたのも束の間。トーマを見上げたターレスの目は完全にすわってしまっている。
「閉店!? まぁだ勝負は終ってないぞ、トーマぁ!!」
「いや、おまえ完全に酔ってるじゃないか」
 まだ知りあって間もないが、ターレスがこんな大声を出すのは初めて聞いた。
 何とか言葉にはなっているが、語尾が妙に間延びし、クールな顔で接客をしている時とは別人のようだ。
「酔ってねぇ! あ、てめぇ、逃げる気だろ?」
 聞いたこともない二人称に面食らいつつ、軽く頭を左右に振った。
「そうじゃない。とにかく、閉店だから仕方ないだろ。今夜のところは引き分けってことにして、また……」
「はっ? ふざけんなぁ〜次の店行くぞ! 朝まで開いてる、とこっ、知ってる……からなっ」
「分かった、分かった」
 一先ずは賛同しないと、店を出られそうにない。
 トーマはターレスの肩を数回叩いて立ち上がり、マスターに軽く頭を下げてから支払いを済ませると、予想通りまたテーブルに顔を伏せてしまっているターレスの腕を引いて立ち上がらせた。

「トォマぁ……どこ、行くんだ、次!」
「飲みたきゃ、オレの家に来い。すぐそこだ。酒もある」
「ふんっ。……まぁ、いいけどなぁ、まーだ勝負はこれからだからなっ」
 自力でまともに歩けてもいないのに口だけは達者なターレスに肩を貸しながら溜め息を噛み殺し、一先ず自宅マンションへ向かう。
 ここまで酔ってはタクシーも乗車をさせてくれないだろうし、何よりターレスから家の場所を聞き出せると思えなかった。

 そう、まだ所詮その程度の付き合いだ。
 それなのにどうしてこんなことになったのか。

 何度も吐きそうになる溜め息を堪え、決して小柄ではない男を半ば引きずるように歩く。今思えば、きっかけは馬鹿馬鹿しいことだが、あの時は引けなかった。ターレスの方も自分から言いだしたということは、職業柄もあって当然飲み比べで負けると思ってもいなかったからだろう。

 まぁ、ホストだしな……

 実際、二人で飲んだ量を考えると、閉店間際まで居座っても嫌な顔をされなかった理由にはなる。この飲み代を明日、ターレスから徴収できなければ、今月かなり苦しい生活を強いられるが、さすがにそんな野暮を言えそうにはなかった。

 こんなのに惚れた弱みか。
 苦笑いが浮かんだところでちょうどマンションについていた。
 入口のセキュリティナンバーを入力し、ターレスにもう一度声をかけて自動ドアからロビーに入る。二機あるエレベーターはどちらも1Fで止まっていた。

 

さーて、ここから不可抗力でお部屋に連れ込みますが(笑)、私が酔っぱらって来たので、後日気力があれば書くってことで、オープニングだけで放置します。
ああ、でも、久々のタレさんもトマさんも愛しいなぁ(*´∇`*)

そして、こんなん書いてるとタレカカとかトマカカとかカカ空さんとか、TKTKさんをいじりたくなりますw

00:54|comment(0)

back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -