リハビリビリ
2014.02.06.Thursday
悟空はいつも頭まで布団をかぶって寝ている。
体温で温もった快適な布団の中、夜が明けたことにも気づかず眠り続けていると、起こしに来たターレスが首のあたりまで布団をずらす。これもいつもの朝の光景だ。
眩しさに顔をしかめ、無理矢理瞼を持ち上げると、ごく僅かに唇を引き上げこちらを見ているターレスと目が合った。唇を動かして何か言っているのは分かったが、声を認識するよりも早く悟空の意識は眠りに引き戻され、すうっと、瞼が閉じていく。
「起きろ」
「うん……おはよ」
「それは目を覚ましてから言う挨拶だ」
「今、何曜日?」
間抜けた声で問われ、ターレスが苦笑いを浮かべる。
だが、悟空はその表情にも気づくはずなく、少し背を丸めて布団に潜りこもうとした。
「水曜だ。あと、時間はもう7時過ぎだぞ」
「ん。……まだ水曜か。つまんねぇ」
「もう水曜日だ。今日を乗り切れば週末だろ?」
「うん」
ターレスにしては優しい声で諭すように囁きかけ、小さな子供にするように悟空を抱き起す。ターレスの目の前にちょこんと座っる格好になった悟空は、前髪をかきあげられるとくすぐったそうに首をすくめ、近づいてきたターレスの唇が額に触れると、両手広げて逞しい胸に顔をあずけた。
「今週は休み?」
「ああ」
「待ち遠しい」
「仕事が終われば今夜も一緒だろう」
「一日一緒にいられるのとは違うじゃねぇか」
「まぁな。……とにかく、もう水曜だ。じきに週末さ」
「うん」
ようやく目が覚めたのか、悟空はターレスを真っ直ぐ見つめ、浅黒い頬にキスしてから滑るようにベッドを降りた。
クールだけど優しいタレがよい。
・・・・しかし、別にワンシーンとかさえ言えるレベルではなかった件。
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