なんだかんだ・・・

2013.10.31.Thursday


 玄関の閉まる音でうたた寝から覚め、何気なくテレビに目を向けると、もう次の番組が始まっていた。

 寝ちまった……
 一つ大きな欠伸をし、身体に巻きつけていたブランケットをとって立ち上がる。
 少し寝癖のついた黒髪を片手で適当に整え、悟空がリビングと対面になった小さなキッチンへ行こうとしたちょうどその時、リビングのドアが開いた。

「おかえり、カカ。今日遅かったんだな」
 パッと顔を輝かせた悟空の言葉に小さく頷いた金髪の青年は、このマンションで悟空と暮らしている、いわゆる恋人と言う存在だ。カカというのは悟空だけが使う愛称で、本当の名前はカカロットという。何故カカと呼ぶようになったのかは悟空も覚えていなかったが、出会ってからさほど間もない頃からそう呼んでいた。
「最後の客にねばられたんだよ」
 髪の毛と同じ金の眉を下げて答え、カカロットはは悟空に近づくと、少し低い位置にある悟空の額から黒髪をかき上げた。
「そっか。大変だなぁ。あ、コーヒー飲む?」
「うん。ありがと」
 金髪にはよく映えるものの、どうかすると冷たく見える青い瞳が悟空を見つめる時だけは、深い海のような優しい色になる。
「座ってていいよ、カカ」
「そうか? ありがとう」
 悟空の気遣いに素直に従い、カカロットはリビングのソファに腰を下ろした。

 二人がお互いの収入に見合うこの小さなマンションで一緒に暮らし始めて半年。
 仕事の時間が全く違うせいで、休日以外はすれ違うことも多かったが、お互いたとえ短い時間でも何とか一緒の時間を過ごす努力はしてきた。
 その甲斐あって、大きなもめごとなどは経験せずに順調に二人の時間を重ねてきたと言えるだろう。
 たとえ寝顔しか見られないような日でも、大切な人が迎えてくれる場所があるというのは、何物にも代えがたい。

 眼鏡を外してコーヒーテーブルに置き、疲れた瞼を指で軽く押していると、コーヒーのいい香りが鼻を擽る。カカロットが目を開けると、大きめのマグカップを手に悟空が立っていた。
「寝る前だからミルク入れといた」
「うん。……っていうか、悟空。また暖房もいれずに……」
「大丈夫だって、ばっちり毛布被ってたから。オラ一人だけの時にもったいねぇもん」
「――主婦みたいだな」
「あっ、そんな言い方するんか?」
「冗談だよ。悟空は案外頑固だから、言っても聞かないだろうし。でも、オレもオレを待ってて風邪ひかれたら困るから……」
「カカ?」
 カカロットはソファの脇に置いてあった大きな紙袋を片手でひょいと持ち上げ、悟空の膝においた。
「何?」
「オレからのプレゼント。あったかグッズだよ」
「へぇ、さんきゅ……って、カカ?」
「何?」
 真面目な顔で問い返そうとしたが、困惑している悟空を見ると我慢できずに噴き出してしまった。
「ああーっ、やっぱりオラをからかってんだな」
「いいじゃないか。あったかいのは間違いないし、・・・・悟空がこれつけて待ってたら、きっと本物の猫みたいに見えるよ」
「だからなんなんだよ」
 カカロットは口を尖らせて抗議する悟空の頭に、真っ白な猫の耳の形をした飾り付のイヤーマフを被せ、クスッと笑った。
「……だって、悟空みたいな可愛い猫がいたら絶対癒されるし」
「あ、あのなっ!!オラ、子どもじゃねぇんだぞ??」
「……だからいいんだよ」
 詰め寄ってきた悟空の耳元で意味ありげな声で囁くと、悟空は一気に真っ赤になり、手に持っていた猫の手足の形をした手袋と靴下を取り落した。






すいません、これだけ(-。−;)
全然意味なしだった;;;
まぁ、この後は全部つけてつけてと押し切った金さんがあまりの可愛さに押し倒すシナリオですね(笑)

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