ちょっと・・・・

2013.09.25.Wednesday


 気管を何かがせり上がる感覚と瞼の裏から目が飛び出そうな酷い圧迫感がカカロットを襲う。
 僅か数秒の間に押し寄せてきた生理現象が、失くしていた意識を取り戻させると同時に激しく咳き込み、ゴボっという音が耳の奥で響いたかと思うと、カカロットは自覚なく口から水を吐き出した。

「ゲェッ、ッ、――っ、ゴホッ、ッ、――ぅ」
「起きるな」

 厳しい声で制止され、起き上がりかけた身体を硬い地面に押し付けられる。
 突如入り込んできた眩しい太陽の光に顔をしかめ、目を閉じる。
 遅れて意識に入り込んできた声が、同じ水泳部で一、二を争う実力者、いわゆるライバルのものだと分かると、カカロットはハッと息を飲んだ。

「体調悪いのに無理するからだ。まだ水温も低いだろう」
 鼻で笑った男の名前はターレス。
 先月転校してきてすぐ水泳部に入部し、カカロット以外の部員では相手にならないほどの力を見せつけた。
 それほどの実力の持ち主が何故名前も知られていなかったのか。
 当然の疑問の答えは至ってシンプルなものだった。
「水泳始めて一ヶ月の奴に知った風に言われたくない」
 ムッとして言い返したカカロットの言葉どおり、ターレスには競泳経験がなかった。
「別に知ったかぶってるわけじゃない。――おまえが溺れてるところを人工呼吸で助けた。学校のプールごときでおまえが溺れるとしたら体調不良以外有り得ないからな」
「大きなお世話だ」
 話しているうちに漸く呼吸が整ってきたカカロットは、片膝をついて自分を覗き込んでいるターレスの浅黒い胸を片手で押し返し、身体を起こした。
「別に恩売る気はないから、そうつんけんするな。オレとしては、からかう相手がいなくなっても困るから助けたんだ」
「……朝練なんて柄じゃないだろ」
 実際、一人早朝練習に来ていた時の事故だから、ターレスに助けてもらわなければどうなっていたか……
 感謝すべきだとは分かっていても、素直になれず、真っ直ぐこちらを見ているターレスから顔を背け、青い目を伏せた。
「覚えちゃいないだろうけど……」
「なんだよ?」
 ターレスの褐色の手が頬に触れ、驚いて相手を見ると、片眉を軽く上げて笑っている。
「転校初日、同じ電車でおまえを見たんだ」
「え?」
 驚いて目を丸くしたカカロットにターレスが薄い笑みを返す。
「やたら綺麗な顔してるのに、女に取り囲まれてるわけでも、明らかに同じ学校の連中と群れてるわけでもない。――これからオレが行く学校だってことは分かったから、まずはおまえを探し出すことから始めようと思ったのさ」
「ターレス……」
「ま、まさか仲良くなる前にキスできるとは思わなかったけどな」
「なっ!! あ、あんなのっ、何言ってるんだ!! わけわかんな……っ」
 一気に赤くなり、しどろもどろで話すカカロットの濡れた金髪を片手でかき上げ、ターレスは言葉を切ったカカロットにゆっくり顔を近づけた。
「あれがキスじゃないなら、……これが俺たちのファーストキスだな」
「何、言っ……」
「嫌なら突き飛ばせばいいだけだ」
「――っ、ん……」
 避けられないことを知っているかのように楽しげに目を光らせたターレスの唇がゆっくりとカカロットの唇に重なる。
 思いのほか柔らかい感触に心臓が高鳴り、ただ触れ合っただけのキスとは思えない息苦しさに堪らず腰の脇にあったターレスの手を握った。



あー、なんかまとまらないから、ここでぶった切るw
水着のタレ金さんはかっこいいに違いない―――>////<
ああああっ、もう、好きだ好きだ好きだ―――(*」>д<)」

さて、今夜はこれからホラー映画を見ようかなんぞと思っているるる。寝れなくなったらどうしよう。

22:35|comment(0)

back

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -