早めに……
2013.09.06.Friday
「カカロット?」
シャワーを終えて直ぐ寝室に向かい、声をかけたが、答えは返ってこない。
寝てしまったのだろうかと電気をつけてみたが、予想に反してベッドは空だった。
まだ起きてるのか……
風呂から上がるのを待ってくれているのかもしれないと急ぎ足でリビングに向かうと、やはり明かりが漏れ、テレビの音が聞こえた。
「寝ないのか?」
ソファーで膝を抱えている後ろ姿に声をかけたが、テレビに集中しているのか振り返らなかった。
仕方なく側に寄り、顔を覗き込もうとすると、ついっと視線を反らされてしまう。面食らって正面に回り込むと、カカロットは膝の上に顎をのせたまま、青い目でトーマを睨み付けた。
「そこに立ったら見えない」
「何か怒ってるのか?」
慌ててその場に膝をつき、下からカカロットの顔を見上げる。端正な顔も膨れっ面だと意外にあどけなく見えた。戸惑いながらカカロットの髪に手を伸ばそうとすると、あたまを後に下げて避けられてしまう。途方にくれるトーマをもう一度睨み、カカロットは先に寝ればいいだろと言った。
「怒らせたままか?」
「オレのことなんか気にしちゃいないくせに」
「おい……」
「昨夜どうして連絡くれなかったんだよ」
「いや、あの……」
「起きて待ってた」
「え?す、すまんっ。トラブルがあってずっと缶詰だったんだ。署を出たのがもう12時過ぎだったから、今から連絡しても思ってな。飯食ってたらもっと遅くなったし……」
「でも、メールくらいしろよ。いつも言ってるだろっ。トーマ、自分の仕事考えてみろよっ。……待つ方は心配なんだからなっ」
怒りで唇を震わせて話すカカロットを見て、トーマは顔の前でパンと両手を合わせた。
「すまんっ。本当にっ。一人が長かったから、そういう配慮ができなかったんだ。許してくれっ」
「……分かってる」
「努力する、な?」
まだ膝を抱えたままのカカロットの目の前に回り、トーマは節ばった手を遠慮がちにカカロットの金髪に伸ばし、優しく髪をすいた。
「そのうち、我儘ばっかり言うからって、トーマが疲れて離れるかもな」
「カカロット……」
さっと顔を上げ、ソファのひじ掛け越しに身を乗り出して抱きついてきたカカロットを受け止め、トーマは一回りキャシャナ体を優しく抱き返した。
「バカを言うな。……オレこそ、毎朝目が覚める度に、夢じゃないのかと思う。お前はそのくらい特別な相手なんだ。悲しませない努力くらいいくらでもする」
「好きだよ、トーマ」
「……それこそ夢みたいだな」
照れ臭そうに答え、トーマはカカロットの首筋にキスをすると、耳に寄せた唇を薄く開き、低い声で寝室へ誘った。
昼間の押し付けは、ほんとにすごい中途半端なとこで切れてたから(人に見せるもんじゃなかった(汗))、仲直りさせてみた( ̄∇ ̄*)ゞトマカカさん、好きっ。トマタレも好きっ。トーマさん、大好きっ(〃∇〃)
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