へろんへろんです・・・

2012.12.11.Tuesday


発着場に数秒と空けず2台のポッドが着陸する。

着陸スーペースのクッションが大きくしなり、着陸の衝撃を吸収すると、直ぐに冷却装置が作動しポッドは白い煙に包まれた。1、2分待っていると、赤い硬化ガラスの向こうが少しクリアになってくる。ターレスは天井近くのボタンを押してロックを解除すると、シュウっと音を立てて開いたポッドから珍しく疲れた様子で降りた。

「ターレス、随分しけた面じゃないか」
「ああ?……なんだ、トーマか」
「ご挨拶だな。他に会いたい奴でもいたか?」
「フン。今回もまたここに帰ってきたとウンザリしてるのに、そんなのいる訳ないだろう?」
「ここに、って……どういう意味だ?」
「――オレは、……野心も持たずに、一生尻尾振って遠征に行くめでたい下級戦士とは違う」
「野心、ねぇ……」

 割れたプロテクターを肩からむしり取りながら、トーマが可笑しそうにひとりごつ。
 何もかも見透かすような口調にムッとし、ターレスは管制塔の前を通ってさっさと帰路につこうとするトーマの肩を掴んだ。

「なんだ?」
「――あんたこそ、なんだよ。何か、言いたそうじゃないか」
「聞く耳持つのか?」

 どこか可笑しそうに口元を歪めているトーマに苛立ちを隠せず、ターレスの表情が険しくなる。

「聞く価値があることなら聞いてやる!」
「どうした、随分ムキになってるな。この程度は適当にあしらえるおっさんの戯れじゃないのか?」
「いい加減に……っ」
「自分が人と違うなんて、自惚れもいいところだ。……狭い猿山で大将面したところでど、遅かれ早かれ地獄行きだ」
「何!?」
「――おまえがそうだとは言ってないぞ」

 ニヤっと笑ったトーマを睨みつけ、皮肉でやりこめようとしたが、ターレスは生まれて初めて言うべきことが一つも思いつかなかった。

「オレは……必ず、全宇宙を跪かせてみせる。――手段なんて選ばない。そのために、一時的に誰に媚びようと、膝をつこうと、……いつかは、全てをひっくり返して見せる!」
「そうか」
「……っ」

 短く答えたトーマの真剣な表情に押され、再び言葉に詰まる。
 トーマはバカにするでもなく穏やかな笑みを浮かべると、ターレスに近づいてきた。

「何だ?」
「天下取りする気なら、合間には癒しが必須だろ?」
「だからなんだよ」
「オレが、甘えさせてやる。――この星にいる間は、な」
「……いつか勝手に消えるとしても、か?」
「ああ」
「今夜、試してから……決める。あんたが、オレを癒せるのか、な」

 真っ直ぐ自分を見据えているトーマの黒い瞳の奥には、未知の享楽に繋がる深い光が見え隠れしていた。




サイヤンな二人を書きたかったんですが、何が言いたいかわかんなくなってきました(;´▽`A``
脳内の切抜きだけだと、やっぱり意味はわからんなー><

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