嬉しい(*´∇`*)
2013.09.02.Monday
「カカ、遅ぇな」
「あいつはこの時期が一番忙しいからな」
波上に窓ガラスをつたう雨のベール越しに表を眺め、悟空が溜め息を吐く。
ターレスは悟空の呟きに顔を上げると、読んでいた本を置いてソファから立ち上がった。
「……誕生日くれぇ休めばいいのに」
隣に立ったターレスの腰に手を回した悟空は、肩を抱き寄せてくれたターレスの腕の付け根に頭を預け、つまらなそうに言った。
「学生のおまえと一緒にしてやるな。……それに、おまえの誕生日には休みをとってくれるじゃないか」
慰めるつもりで言った言葉に悟空の反応はない。
珍しいなと思いつつ、肩を抱いたまま顔を覗き込むと、悟空は何か言いたげに黒い瞳でターレスを見つめた。
「どうした?」
「オラってやっぱりガキか?」
「ん?」
「……カカもターレスも、オラの我儘は全部聞いてくれっし」
「おまえが我儘を言ったのなんか聞いたことないけどな」
「ほらっ! そういう言い方がガキ扱……」
ムッと口を尖らせ、ターレスの腕を掴んだ悟空の抗議が玄関の開く音に遮られる。
二人で話しているうちに通りを渡るカカロットの姿を見逃していたらしい。
悟空は花が開いたような明るい笑顔になり、文句を言っていたのも忘れて玄関に駈け出して行った。
「カカ! おかえりっ」
「わっ、ビックリした。ただいま、悟空」
おおかた悟空が勢いよく抱きついたのだろう。
束の間、二人の声が途切れたのは柔らかなキスを交わしているからに違いない。
ターレスは楽しげに話しながら入ってきた二人をドア近くで出向かえ、カカロットにタオルを差し出した。
「あ、ありがとう」
「カカ、濡れてるんか?」
「折り畳みしか持ってなくて、駅から直ぐだろ。走ってきたんだよ」
「ごめん、オラ、全然気づかなくて」
「いいよ。そんなこと」
シュンと項垂れた悟空の髪をポンポンと叩き、カカロットはそれより腹減ったと笑った。
「今日はご馳走だよ、カカ!」
「期待してたよ。二人が食べずに待ってくれてることにも」
「主役がいないパーティは味気ないからな」
ニヤっと笑い、キッチンへ向かいかけたターレスの肘をカカロットが掴んで引き止める。
「なんだ?」
不思議そうに足を止めたターレスと、隣でやはりきょとんと目を丸くしている悟空を交互に見て、カカロットは少し照れくさそうに片手で金髪をかきあげ、青い目を閉じた。
「……誕生日おめでとう」
クっと短く笑ったターレスが祝いの言葉の後、カカロットにキスをすると、悟空も、あそうか、と顔を輝かせた。
「おめでとう、カカ!」
明るい声でそう言った悟空は、自分もカカロットに触れるだけのキスをすると、今度こそ歩き出そうとしたターレスの肩に手をかけ、背伸びをして浅黒い頬に口づけた。
「おまけっ」
「……遠慮なく」
片眉を上げたターレスがカカロットと悟空の肩に手をかけると、三人は目を見交わし、笑顔でキッチンへ向かった。
ラブラブさせたかったの(T▽T)!
書くとなんか違うんだけど、もう一緒にいるのが当たりまえで離れることなんてちっとも考えてない三人もいいな、と思うのです><
タレも金さんも黒ちゃんも好きすぎて泣けてくるo(;△;)o
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