ε-(´・`)

2013.08.16.Friday

 立っているだけで汗が滲むきつい陽射しを避け、ビルの陰に入り込んだ悟天は、目の前を忙しない歩調で行き交う仕事帰りに人々に目を向け、まだあどけなさも残した顔に不似合いな深いため息を吐いた。

 そろそろ太陽は西に傾く時刻になっているというのに、ヒートアイランドという言葉がピッタリな都会のビル群の中は、いっこうに涼しくなる気配がない。うんざりしつつ、ポケットから取り出したスマートフォンで時間を確認すると、もう6時を回っていた。いつの間にか20分以上待ちぼうけをくっていたことに気づき、再び漏れた溜め息がさらに重く胸に響く。

 ……からかわれたんだよ、バカ。

 認めまいとしていた現実が熱い塊になって喉の奥を塞ぎ、涙が滲みそうになるのを歯を食いしばって堪えた。
 人目があろうとなんだろうと構わず、ビルとビルの間から地面を蹴って飛び立とうとした悟天は、突然目の前に現れた人影に気づいて息を飲んだ。

「……随分慌ただしいデートだな」
「っ、い、今頃っ、何だよ!!」
 軽く眉を上げ、悪びれた様子もなく唇の端で笑みを作って悟天を見下ろしている男の名はターレス。
 顔だちは悟天の父親とそっくりだが、特徴的な浅黒い肌とサイヤ人らしい残酷さを覗かせる黒い瞳は、二人の顔が似ていることも忘れさせるほど好対照な雰囲気を醸し出している。
 ともあれ、この男こそ悟天の待ち人なのだが、いざ目の前に現れるとパオズ山の自宅で居候している男と同じ人間とが思えない独特の空気が際立って見え、悟天は自分が赤くなっていくのを止められないまま大声で怒鳴った。
「そう怒るな。道に迷ったんだ。――街中では飛ぶなと五月蠅いのはおまえらじゃないか。それに、この星の乗り物は免許とかいうのがないとダメなんだろう?」
「そりゃそうだけど」
「だいたい、おまえが一緒に家を出れば済む話なのに、わざわざ待ち合わせるというから、こうなったんだ。オレの責任じゃない。むしろ自業自得だろう、悟天」
 恐らく悟天が怒っていることも想定のうちだったのだろう。
 



・・・・・まだたったこれだけ(/□≦、)
すいません、ノロマでぇぇぇ。
一応初めてお外でデートする二人なのですよ、(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
えへへじゃねーよ(o´Д`)っ)'Д`o)

23:24|comment(0)

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