(*´0)ゞファァ~~♪

2013.07.02.Tuesday


 ソファの肘掛けに頭を預け、瞼が落ちかける感覚に身を任せようとした時、悟飯は不意に人の気配を感じて顔を上げた。

「……ターレ、ス?」
「一人か。珍しいな」

 何故ここにいるのかと驚きはしたものの、それ以上に今の悟飯は眠気の方が勝っていた。
 大学院への進学が決まり、同級生たちと一緒に初めて朝まで飲み明かした悟飯は、久しぶりにショッピングに行くという母の誘いも断って家に残った。そのせいで買い物に付き合わされることになった父には申し訳なかったが、とても人ごみに入る気にはなれなかったから、仕方ない。
 
 そのせいだろうか。
 いつもならターレスに勝手知ったる様子で家に入ってこられると、腹が立つのがだが、今はあまり思考が働かず、ただぼんやりと目の前の男を見上げていた。

「……酒飲んで朝帰りするような歳になったんだな」

 悟飯にというよりも、自分に語りかけるようなターレスの口調に戸惑いつつも、身体を起こす。すると、ターレスは断りもなく悟飯の隣に腰を下ろし、悟飯の髪に手を伸ばした。

「何?」
「好きな奴でもいるのか?」
「え?」

 驚いて顔をひきかけた悟飯のリアクションに構わず、浅黒い顔を近づけてきたターレスは、ソファの背もたれに両手をつき、悟飯の顔をその中に閉じ込めた。

「ま、いても関係ないが」
「――ッ、何言ってるんだよ」

 悟飯の困惑も楽しむように口端を引き上げたターレスがゆっくり顔を近づけてくる。
 キスをされるのだと分かるよりも早く、少し乾いた唇で唇を塞がれ、悟飯は抵抗もできずただ目を見開いた。

「んっ、っ……っ」
「どうだ?」
「どうって、――っ、何がっ!!」

 楽しげに目を踊らせたターレスを見て、今さらながらに恥ずかしさがこみ上げてきた悟飯は、真っ赤な顔で叫んだ。

「キスに決まってるだろう?おまえが今まで経験したよりは、上手いと自負してるんだがな」

 だが、当のターレスはいっこうに堪えた様子もなく、慌てて立ち上がろうとした悟飯の肩を押してソファに戻し、頬に手をあてた。

「二度とごめんだと思うくらい下手だったのなら、これっきり関わらないから安心しろ」
「――っ、そん、なの……っ」
「何だ?」
「ひ、比較対象がないから分からない!!」

 音を立てそうなほど赤くなって叫んだ悟飯の答えに、今度はターレスが目を丸くした。

「……なるほど」
「何だよ!?」
「いや、なら最初から極上品で試食できたんだ。おまえはラッキーだぞ」
「なんでそんなこと分かるんだ。何なんだよ、その自信は」
「そりゃぁ、オレの愛情がスパイスになってるからな。そこらの奴じゃ敵うはずもないさ」

 ターレスは喉を鳴らして低い声で笑い、唇を噛みしめている悟飯の頬に触れるだけのキスをした。

「ターレス?」
「……コーヒーとかいうのを淹れてやる。頭をスッキリさせた方がいい」
「何考えてるんだよ……」
「別に。ただ、それでも十分口説き落とせると思ってるだけだ」

 片眉を上げて答え、さっさとキッチンに向かって歩き出したターレスの広い背中を見上げ、悟飯は説明しようのない胸の高鳴りに耐え切れず、傍にあったクッションを抱え込んだ。




何か悟飯さんの前で思いっきり気障な台詞を連発させたかったんですが……
微妙www
とりあえず、明日悟飯さんのような二日酔いじゃありませんように(;´▽`A``

23:45|comment(0)

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