キスキス♪

2013.05.23.Thursday




夜明けにはまだ遠い時刻。
隣の男が動く気配で目が覚めた。

寝返りかと思ったが、ブランケットに入り込んできた冷たい空気はどうやらベッドを降りたかららしい。
ターレスが訪ねてきた夜はいつも、行為の後、死んだように眠ってしまい、一人、朝を迎えるのが常だったから、何となく声をかけるのは躊躇われた。

目を閉じたまま、軽く身動ぎする間も、ターレスが自分を見ていると確信していたが、朝までここにいろと言える立場でもない。

否。
障害は王子と下級戦士という身分の格差以上に自身のプライドだと分かっていた。

「しばらく遠征だ。他の奴にヤられるなよ」

平常と変わらないからかうような声が聞こえ、思わず目を開けたくなったが、ぐっと堪える。眉根に寄った薄い皺にあるいは気づかれただろうか。

極力自然な呼吸を意識していると、不意に独特の体臭が混ざった空気が近づき、瞼にキスが落ちてきた。驚くまもなく今度は唇に軽く触れたキスを受け止める。

クスッと笑う声から間を開けず、窓を開ける音が聞こえ、ターレスの気配は感じられなくなった。

「……この部屋にそう易々と人を入れると思うのか」

小柄な体には不似合いなキングサイズのベッドから起き上がり、ベジータは忌々しげに呟くと、流星のように一筋光を引いて夜に消えた男を見送った。




両思いなんですよっ(*^^*)
でも、立場の違いとかでなかなか素直になれないベジータと、なんだかんだで自分から折れようとはしないタレなんです(〃∇〃)それにタレの方はとことんベジータに誠実かというと、ちょっと違う。だからベジータは益々殻を破れなかったり。ある意味奔放な下級戦士に振り回されてて欲しいけど、でも、愛はあるのっ。わかりにくいっ(笑)


11:19|comment(0)

back

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -