モグモグ
2012.11.20.Tuesday
休日の朝。
そろそろ起きようかと思いつつ、無意識にブランケットを引き上げる。
焦げ茶色のブランケットで隠れた浅黒い肩には、昨夜、久しぶりに会えたパートナーの歯形が残っていた。
「お、起きてたか」
遠慮がちに開いたドアに目を向けると、両手にコーヒーの入ったマグカップを手にしたトーマが笑顔で立っていた。ベッドで欲情が高まった時に覗かせる野生味が嘘のようなトーマの笑顔をぼんやり見ていると、何だというように軽く目を開き、穏やかに微笑んだまま近づいてきた。
「そろそろ飯にしないか?」
「そう思ってたとこ。ふぁ……」
トーマは欠伸をしながら答えたターレスを見て軽く声を上げて笑い、左右にはねた髪を片手でくしゃっと撫でた。
「このところ忙しそうだったからな」
「今日の寝不足はトーマのせいだけど」
「おいおい、もう昼前だぞ」
苦笑いしたトーマの言葉で時計を見ると、確かに11時をすぎていた。
「こんなに寝たんだ」
「そうだ。そういえば、昨日おまえの家に来るときに新しい喫茶店みかけたぞ。着替えていってみないか?なかなか雰囲気も良さそう……」
「ああいうところはカフェって言うんだ」
ターレスのつっこみに何でもいいじゃないかと答え、トーマは持ってきたコーヒーを一口飲んだ。
「苦っ」
「……こっちじゃないのか?」
「ああ。また間違えた」
一応色でお互いのカップを区別していたが、大ざっぱなトーマはしょっちゅう取り違えてしまう。ミルクだけのカフェオレを好むターレスとは正反対にトーマのコーヒーは最低角砂糖3個は必要らしい。
「ああ、あのカフェ、そういやケーキがたくさん並んでたな。それ目当て?」
「いいじゃないか。一人だと行きづらいが、おまえはああいう店も似合うから、つきあってくれ」
「はいはい。ーーったく、甘いもんばっかり食べたら太るぞ、トーマ」
「運動は得意だ」
ニヤリと笑ったトーマの答えに片眉を上げ、ターレスはマグカップを交換するタイミングでキスをした。
「今夜も泊まれるって意味だよな?」
「ああ」
じゃれ合う会話の心地良さに笑みを交わし、二人はそれぞれの好みのコーヒーが入ったカップを軽くぶつけあった。
大人の男がちょっとはしゃぎあいって萌える(///ω///)♪
トマさんは甘党でもなんかいい☆
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