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あの後。
ボク達は二人でお風呂に入って洗い合い、随分遅い夕飯はお中元の残りだという素麺を二人で食べつくした。
仁の部屋に行ってもずっとラブラブだったボク達は、箱を開けたばかりのコンドームをその日のうちに3つも使ってしまった。


次の日、朝起きたら目の前にまだ寝ている仁がいた。
おとといの夜みたいにボクは仁の前髪をそっと除ける。
すると、くすぐったそうに仁が目を開けた。
仁の青紫色の瞳がボクを見て嬉しそうに細められる。


「おはよ」
ってボクが言うと
「おはよ」
って仁が言う。

あ〜、これが幸せってヤツなのかも。
なんか仁と居ると自分がすっごい素直な人間に思えてきちゃうよ。
ひねくれたりする暇が全然無くなっちゃう。

ボクが仁の肩にキスをするとくすぐったそうに身を竦める。


「今日が土曜で良かったね」

「そうだね」

二人でくすくす笑いながらボクは仁の布団から出てる部分に次々とキスをする。
その度に仁がくすぐったそうに身を竦めるのが可愛くってしょうがない。


「あ〜ぁ、今日で帰んなきゃいけないのか。
もっと一緒にいたかったなあ」

「そうだね」

「部活って何時からだっけ?」

「今日は一時から」

ベッド脇の目覚まし時計を見ると十時を過ぎたところだった。


「まだ時間あるね」

ボクはキスを続けながら言う。

「そうだね」

仁がくすぐったそうに笑いながら答える。
ボクが布団の中に隠れてる部分にもキスしたいって分かってて、はぐらかしてるって感じの笑い声。


「じゃあさ…」

もう一回ってボクがはっきりと言っちゃおうとした瞬間、仁の携帯が鳴る。
仁が電話に出ようと枕元のケータイに手を伸ばすから、仕方なく仁の体から離れる。
電話に出た仁はうんとか大丈夫とかわかったとか簡単な返事ばっかりだけで電話を切った。


「誰から?」

「母さん」

仁がケータイをまた枕元に置きながらボクに答える。

「出張が一日延びるって」

そこで言葉を一旦切ると、いたずらっぽい表情でボクに振り返った。


「だから、今日も泊まってく?」

仁もこんな顔するんだ。
ボクはハッとして仁の顔に見惚れてしまう。
それでなくともまだ見慣れない仁の顔に、珍しく悪戯っぽい表情が浮かんでる。
ボクは簡単に仁に心臓を打ち抜かれてしまった。


「もちろん!
でもそれよりも今すぐ…」

夜まで待てないって耳元で囁くと仁は顔を赤くして頷いた。


     

   END

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