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「へー、クラマ君はサッカー部なんだぁ!
俺もサッカー好きなんだよねぇ。ね、イナズマジャパンって知ってる?
俺が学生ん時に世界一になったんだけどさぁ、俺、ちょうどあの時高校でサッカー部でさぁ……」


いやあクラマ君=ノリ君って知ってるから話題には事欠かないなぁ。
あ、ちなみにこれ全部嘘ね。俺、高校はテニス部。
そん時ハマってた漫画がテニス漫画でさ、主人公(勿論男)が格好良かったんだよねー。短パンにスパッツで。
同じサッカー部って言った方が親近感湧くかなぁっていう、まあノリ?
事前のメールでノリ君はサッカー部って事を聞いてたお陰でけっこう会話盛り上がってるし。
当然サッカーに関する話題はちゃーんとネットで調べてきてるからねー。
ある程度なら話せるぐらいにはなってるし、10年前の話題を選んだから多少間違えても記憶違いとか忘れたって誤魔化せるし。
まったく10年経って当時のフィーバー思い出して、この歳で改めて鬼道クンにハマるとは思ってなかったよ。
あーあ、どっかに14歳の鬼道クン落ちてないかなぁ。


それにしても。
クラマ君は俺が嘘吐いてるなんて微塵も気づいてなさそー。
サッカーが本当に好きなんだろうなぁ。
俺がサッカーの話題を出した途端、それまでガッチガッチに緊張してたのが目に見えてリラックスしだしたのがすーぐ分かった。
クラマ君の緊張が少しでも解れるようにっていう敢えてのファーストフードだったんだけど、それも効果が薄いぐらい畏まっちゃっててさー。
こんな風に誰かと出会い系で会うとかしたことないんだろうなってのがアリアリ。
まあそれも可愛いっちゃ可愛いかったんだけど、それじゃあ次のステップ(平たく言うと今日の最大目標)には進めないからね。
それが今じゃ、あんだけ俺が勧めても手を出さなかったポテトにも自然に手が伸びてるし、椅子の座り方も足なんか組んじゃって可愛いーの。
ちっちゃい子が足組んでるのって可愛くない?
そうそう、可愛いと言えば!
クラマ君って手持ち無沙汰になるとストローで上顎を擦るんだよね!!
きゃー、えっろーい!
なになにー、クラマ君ってば上顎も感じちゃうのぉー!?じゃあ後でおにーさんがイラマしてあげるねー。
大人チンポでゴシゴシしてそこが実はクラマ君の性感帯の一つだって気づかせてあげるねー。

で!で!クラマ君の可愛いのはそれだけじゃなくてー。
そん時に話しかけると上目使いで「…あ?」ってストロー銜えたまんま聞き返すんだよねー!!
うおー、マジ早く銜えさせてーーーー!!


って、またも少し興奮して下品になっちゃってスミマセン。
というかつい下品になっちゃうくらい俺もそろそろ我慢の限界です。
クラマ君も俺に打ち解けてくれたみたいだし、うーん、そろそろ仕掛けてみようかな?
俺は興奮で乾いた喉を、解けた氷でうっすーくなったアイスティーで潤す。
あー、まっず。
クラマ君に「うっす」ってゲーと舌を出しながら、ドリンクの蓋を開けて随分と色の薄くなった中身をクラマ君に傾かせて見せる。


「結構長居しちゃったね。そろそろ出ようか」

俺の一言でクラマ君にまた緊張が戻ってきたみたい。
かっわいー、足組んでブラブラさせてた足がピタッて動き止ってんの。


「それとも……。
……どっか行く?」

おおっ、効果覿面ッ!
アダルティな雰囲気を精一杯醸し出して言った俺の一言に、クラマ君の頬にサッと朱がさす。


「あの…ッ、俺…ッ」

クラマ君は片方しか前髪から出てない瞳をきょろっと彷徨わせると、グッと唇を噛んだ。
あちゃー、駄目かなぁ。迷ってるみたい。
俺が時期尚早だったかと落ち込んでると、
動揺したのを落ち着かせたいのか、クラマ君も下の方にだけ水滴が付いてるほーんの少ししか残ってない自分のドリンクに手を伸ばした。
お、チャーンス!
俺も同じようにテーブルに戻してた自分のうっすいドリンクに手を伸ばす。
クラマ君の手とぶつかって、俺のドリンクが俺の脚の方へと落ちていく。
さっきクラマ君に中身見せた後、ちゃんと蓋を閉じてなかったせいでぬるいアイスティーが俺の脚のかなり広範囲を濡らしながら床へ落下する。

って、わざとですけどねー。
迷ってるなら俺が背中押しちゃえばいいと思わない?
勿論、俺が望む方向に!だけどねー。


「あちゃー」

俺が備え付けのナプキンで自分の脚を拭きだすとクラマ君も同じようにナプキンを手に取った。


「大丈夫かよ?」

俺にそのナプキンを渡してくれようとしてるみたい。
やっさしー!
でも悪い大人はその優しさに付け込んじゃうのよ、ゴメンネ。
心配そうに俺の脚の方に上半身を寄せたクラマ君の手を、ナプキンごと握り締める。


「いやあこれはどっかで乾かさないと駄目みたい。
おもらししたみたいになっちゃって恥ずかしい事になってる」

急に手を握られて反射的に力の入った手を、それでも無理やり俺の脚へと導いてやる。


「ね、恥ずかしい事になってるでしょ?」

俺がそう言ってクラマ君を見ると、クラマ君の方がよっぽど恥ずかしそうにしてた。
だって俺が無理やり触らせたのは、俺のビッグマグナム。
ナプキン越し、ジーパン越しとは言え、俺の勃ちあがりかけてるJrちゃんの感触にクラマ君は泣きそうになっちゃってる。
ふふふー、こんなもんで恥ずかしがってちゃ持たないよ?
ここからもーっとサイズアップするから期待してちょーだい。


「これ乾かせるようなとこ、一緒に行こーよ。
ね、クラマ君?」


 

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